介護施設の種類を徹底比較！おひとりさまの終活を充実させるポイントとは？

最近、「おひとりさま終活」というキーワードが注目を集めています。
これは、未婚・離婚やパートナーを喪失した後、家族のいない状態で老後を迎える人々が増えている現状を反映した言葉です。
特に、孤独死や介護時の支援不足などのリスクに備えるため、早い段階から自分の将来を計画する動きが広まりつつあります。

おひとりさまが終活を検討する際、重要なトピックとなるのが「自分の老後をどのように支えてもらうか」という点です。
家族と同居していたり、パートナーがいる場合は、日常のちょっとしたサポートを周囲から受けられるかもしれません。
しかし、おひとりさまの場合、自分が日常的に困ってもすぐに協力を得られるとは限りません。
そのため、介護施設や在宅介護サービスの活用が大きな選択肢となります。

とりわけ、重い介護が必要になったり、認知症の症状が進行したりした場合に、安心して生活を続けられる環境をどのように準備するかは、終活を進めるうえで大切なポイントです。
しかし、介護施設とひと口にいっても種類はさまざま。公的な施設から民間運営の有料施設まで、設備やケアの充実度、費用に違いがあります。
本記事では、その中身を詳しく見ていきましょう。

「介護施設」は、高齢者が介護や日常生活のサポートを受けながら暮らすための場所の総称です。
しかし、その具体的な形態は多岐にわたります。
ここでは、代表的な施設の種類と特徴を見ながら、どのような方に向いているのかを比較していきます。

上記で紹介した介護施設には、それぞれに特徴があり、費用面や提供されるサービス内容、入居条件などが異なります。
特に、おひとりさま終活の観点からは、以下の視点で比較・検討することが大切です。

1．費用面
・入居一時金はあるか、月額費用はいくらか
・食事代や管理費、光熱費などの内訳
・追加料金（医療ケア、レクリエーションなど）の有無

2．立地・環境
・通院や買い物などの利便性
・家族や友人が面会に来やすい場所か
・施設周辺の環境や治安

3．ケア内容
・24時間ケア体制の有無
・看護師や医師の常駐状況
・リハビリの充実度やレクリエーションの種類

4．入居条件
・要支援・要介護度の制限
・保証人や身元引受人の必要性
・認知症や持病のある方の受け入れ可否

5．将来的な移動のしやすさ
・もし介護度が重くなったら、ほかの施設に転居するのか
・医療依存度が高まったときのサポート体制
・終末期ケアまで対応してもらえるか

おひとりさまの場合、特に身元引受人や保証人の問題は避けて通れません。
施設によっては、入居時に連帯保証人や緊急連絡先が必要となります。
そこで、終活の段階で、代理人や信頼できる方に依頼するなどの対策を考えておくことが重要です。
詳しくは後ほど触れますが、専門の終活サポートや見守りサービスを利用することで、この不安を解消できるケースもあります。

おひとりさま終活は、身近に介護をしてくれる家族がいない、あるいは家族にあまり迷惑をかけたくないという思いから始まることが多いです。
実際、体が不自由になったり、認知症が進行したりするタイミングで突然「介護施設を探さなくてはならない」というケースは少なくありません。

しかし、本当に必要になる前に「どんな施設が自分に合っているか」などをリサーチしておくと、いざというとき慌てずに済みます。
ここでは、おひとりさまが考えておくべき主なポイントを解説します。

ここで、おひとりさま終活の現場に近い立場として、私自身がサポートした事例の一部をご紹介します。

【事例】60代後半・一人暮らしのAさん

・Aさんはもともと在宅で暮らしていましたが、脚の痛みから外出がほとんどできなくなり、食事や買い物にも不便を感じるように。
・まだ要介護認定は受けていませんでしたが、一人で将来を心配し、早めに終活を行いたいと相談に来られました。
・まずは要介護認定の申請をサポートし、要支援2という判定を受けました。サ高住（サービス付き高齢者向け住宅）が合うのではと提案し、複数の施設を見学。
・Aさんは「自由度の高い暮らしも維持したい」という希望があったので、在宅サービスを組み合わせやすいサ高住を選ぶことに。
・入居時、保証人が見つからなかったため、当方のサービスの身元保証サポートを利用。スムーズに契約締結ができ、Aさんは安心して入居されました。

Aさんからは、「いざというときの相談先があるのは心強い」という感想をいただいています。
自分が将来どんな状態になるかわからないからこそ、早めに情報収集をし、必要に応じて専門家を頼るのが賢明だと感じました。

私は、終活アドバイザーであり、薬剤師やファイナンシャルプランナーの資格も活かして、医療・介護・お金の面から総合的にサポートしています。
おひとりさま終活においては、次のような視点が特に重要だと感じています。

1．医療と介護の連携
・薬剤師として、持病や服薬状況に基づいた適切な施設選びをアドバイス。
・介護認定の取得や病院との連携などもスムーズに行えるようにする。

2．資金計画とライフプラン
・ファイナンシャルプランナーとして、年金や預貯金、保険の活用を検討。
・「今後何年、どのくらいの費用を施設や在宅サービスに充てられるか」を試算。

3．エンディングに向けた心の準備
・終活アドバイザーとして、葬儀やお墓、遺言書の作成など、最後まで見据えたサポート。
・おひとりさまの不安に寄り添い、必要に応じた専門家紹介やスキームづくりを行う。

介護施設の利用に限らず、在宅や訪問介護を中心に組み立てる選択肢もあります。
しかし、おひとりさまの場合は特に、万が一のときの緊急連絡先や生活支援などの対応が課題となりやすいです。
そのため、日頃から行政や地域包括支援センター、民間の終活サポートを上手に活用する姿勢が大切だと考えています。

私が提供している「おひとりさま終活サポート」は、終活アドバイザー・薬剤師・ファイナンシャルプランナーとしての多角的な知見を活かし、お一人で老後を迎える方の不安をトータルで解消することを目指しています。

具体的には、介護施設の検討や入居サポート、財産管理や任意後見制度の活用、葬儀やお墓などの手配に至るまで、ワンストップでお手伝いしています。

「介護施設の種類を徹底比較」というテーマでお伝えしてきましたが、おひとりさま終活においては、施設の特徴を理解したうえで、自分に合ったケア環境を見つけることが重要になります。
公的な施設なのか民間有料ホームなのか、重度の要介護に対応できるのか、自立度が高い人向けなのか。それぞれに利点と注意点があります。

特に、身元引受人や保証人の問題はおひとりさま終活で一番大きなネックになりやすいです。
だからこそ、事前に専門家や信頼できるサポートサービスを活用し、自分が困らない体制を整えておきましょう。
また、介護が必要になる前の段階で要介護認定を受けておくことで、スムーズに各種サービスを利用できる場合もあります。

一方で、「まだ元気なのに施設のことを考えるのは早いかも…」と思うかもしれません。
実際に迷いがある方は多いです。
しかし、もしものときに「どのような施設なら自分に合いそうか」だけでも見学しておくと、不安がグッと減ります。
後になってから慌てずに済みますし、施設によっては何年も待機が必要な場合もあるため、早めの準備が肝心なのです。