こんにちは。「終活アドバイザー」「薬剤師」「ファイナンシャルプランナー」の資格を持ち、老後のさまざまなご相談に対応している老後コンシェルジュの坂井です。
今回は、おひとりさまの終活にも大いに活用できるスマート家電についてお話ししたいと思います。テクノロジーが発展した現代では、家電もただ便利なだけでなく、安全面や健康面でのサポートを含め多機能化が進んでいます。
そんなスマート家電を取り入れることで、老後をより快適に、そして安心して過ごすことができるのです。
特に「おひとりさま」で老後を迎える場合、生活のあらゆるシーンで人手が足りなくなる可能性があります。
例えば、身体が思うように動かないときに家事が負担になったり、緊急時の連絡が遅れてしまったり、といったリスクを軽減するうえでもテクノロジーの力は強い味方になります。
とはいえ、技術が進んだ家電をどうやって活用したら良いか分からない、導入コストはどのくらいかかるのか心配といった声も多いのが現状です。
本記事では、スマート家電が具体的にどのように役立ち、またおひとりさま終活においてどんなメリットがあるのかを幅広く取り上げていきます。
私の経験や、実際におひとりさま終活を考える方々のお悩み・相談事例も交えながら、導入のヒントをぜひ掴んでいただければ幸いです。

おひとりさま終活におけるスマート家電の役割
おひとりさま終活とは、文字通りひとりで生活し、将来的にも身近に家族などの支援者がいない、もしくは最小限しかいない方が、自分自身の人生の終わりに向けて準備を進めることを指します。
具体的には、財産管理や医療・介護の方針、葬儀やお墓のことなど、多岐にわたる事柄を整理する作業を指すのですが、それだけではありません。
日常生活での便利さや快適さ、安全確保、もしものときの対応策など、多くの要素が絡み合っています。
スマート家電がここでどのように役立つのかというと、家事を効率的にこなすサポートや、声だけで操作できる機能を提供したり、健康管理や見守りの機能を備えていたりと、その範囲は広がりを見せています。
おひとりさま終活で大切なことは、「自分に負担がかからないように、そして万一のときにも周囲に迷惑をかけないように備えておくこと」です。
スマート家電を取り入れることで、日常的な生活の煩わしさを減らし、いざというときの連絡手段としても有用です。
特に近年は通信インフラが整い、多くのスマート家電がインターネットとつながり、外出先からでも操作や状況確認ができるようになっています。
そのため、もし自宅に何か異変があった場合、離れた場所に住む親戚や知人にも情報が届けられるケースがありますし、ご自身で動きがとりづらいときもリモート操作でいろいろな家事を管理することが可能です。
このように、おひとりさまのリスクを軽減し、安全かつ快適に暮らすためのツールとして、スマート家電は年々注目度が増しています。
終活というと、葬儀や遺産相続のような話題を想像されるかもしれませんが、こうした日常生活での安心・安全を確保する取り組みもまた、立派な終活の一環です。
スマート家電を活用するメリット
ここでは、大きく以下の点に着目してみたいと思います。
家事負担の軽減
若い頃は難なくこなせていた家事も、年齢を重ねると腰や膝への負担が大きくなり
「立ったり座ったりが大変」
「長時間家事をするのがつらい」
といった声が多くなります。
そんなとき、スマートロボット掃除機やスマート炊飯器などがあると大変便利です。
スイッチを入れるだけで自動的に掃除をしてくれたり、スマホアプリから炊飯のタイミングを設定したりすることができます。
おひとりさまの場合、人の手伝いを気軽に頼むことが難しい場面もあるため、これらの家電によるサポートは非常に心強いです。
安全性の向上
スマート家電には、人の動きを検知して明かりをつける機能、転倒検知センサー、さらには遠隔監視機能などが備わっている場合があります。
たとえばスマートライトが消し忘れを感知し、自動で消灯してくれることで火災リスクを軽減するという事例もあります。
これらは単に便利というだけでなく、安全に直結する大きなメリットです。
健康管理への活用
記録する手間が減るだけでなく、異常値を検知したらスマホに通知が来る設定なども可能で、医療機関にかかっている方なら数値の変化をかかりつけ医に見せることも容易です。
また、音声アシスタントを活用すれば、「お薬の時間だよ」と声でリマインドしてくれるなど、おひとりさまの健康管理をサポートしてくれます。
コミュニケーションの円滑化
例えば、スマートスピーカーを介して離れて暮らす親戚と会話をすることができたり、ビデオ通話対応のタブレットでいつでも顔を見ながら話すことができるなど、一人で過ごしていても孤独を感じにくくなります。
「自分はおひとりさまだから、何かあっても誰にも相談できない」と思い込んでしまうと、心理的にも不安が大きくなります。
スマート家電を活用したコミュニケーションがあれば、気軽に声をかけてもらえる仕組みづくりができるわけです。
具体的なスマート家電の種類と活用例
ここでは代表的なスマート家電の種類と、それぞれの活用例を具体的に紹介します。
1. スマートスピーカー
音声アシスタント(Amazon AlexaやGoogleアシスタント)に話しかけるだけで、天気予報やニュースの読み上げ、音楽再生、家電操作などができます。
おひとりさま終活を進めるうえで、スマートスピーカーは大きな助けになります。
たとえば、「今日の薬を飲む時間」をアラームで知らせてくれたり、「電気を消して」「テレビをつけて」と音声で指示できるため、身体の負担が減ります。
さらに、「何かあったら声で呼びかけるだけで必要な人に連絡が行くように設定しておく」など、安全面でも大きなメリットがあります。
2. スマート照明
特に夜間のトイレなどは足元が暗いと転倒のリスクが高まりますが、人感センサー付きのスマート照明を設置しておけば、人の動きを感知して自動で点灯してくれます。
消し忘れも防げるため、省エネや火災リスクの軽減にもつながります。
3. スマートロボット掃除機
高齢になると、掃除機の持ち運びやかがんでの拭き掃除が負担になるケースも少なくありません。
そこで役立つのが、ロボット掃除機です。
Wi-Fiに接続しておけば、スマホアプリや音声アシスタントを使って開始・停止を遠隔操作できます。外出中に掃除を済ませておいてもらうことも可能で、帰宅したときには部屋がきれいな状態になっています。
おひとりさま暮らしにおいては、家事を一手に引き受ける必要があるため、家事の負担を軽減する素晴らしいサポート役といえます。
4. スマートエアコン
外出先から事前にエアコンをつけておき、快適な温度にしておくことはもちろん、室内の温度センサーと連動して温度を自動調整してくれる機能もあります。
特に熱中症リスクがある高齢者の方には非常に助かる機能です。
暑い夏でも「エアコンをつけ忘れて寝てしまった」などのリスクを減らし、体調管理に寄与してくれます。
5. スマート調理家電
スマート炊飯器やスマートオーブンレンジなどは、AIで最適な調理時間を提案してくれたり、レシピ検索と連動して自動で火加減や時間を設定してくれるものもあります。
アプリ上で調理開始・停止を操作できるので、材料を入れて放っておけば、外出先からでもご飯が炊ける、あるいは帰宅時間に合わせて温めが終わるなど、非常に便利です。
「料理をするのが億劫」という状況を改善し、栄養バランスを保つ食事をとりやすくなります。
スマート家電導入時の注意点
特におひとりさま終活として導入を検討する場合、以下のポイントを確認しておきましょう。
1.費用面
初期費用だけでなく、サブスクリプション型のサービス料がかかる場合もあるので、事前にトータルコストを把握しておきましょう。
2.設定の難易度
設定マニュアルをしっかりと確認し、不安があれば家電量販店のスタッフや知人にサポートをお願いするのがおすすめです。
3.使いこなせるかどうか
必要な機能だけをうまく使って、全部を完璧に把握しようとしないスタンスが大事です。
4.インターネット環境
通信速度が遅いと快適に利用できないケースもあるため、自宅のネット環境を点検しておく必要があります。
5.セキュリティ
テクノロジーがおひとりさまを安心サポートする仕組み
これは特におひとりさまにとって大きな安心材料となります。
たとえば、遠隔モニタリングカメラを設置して自分の様子を離れて暮らす親戚や友人が確認できるようにする、一定時間動きがなければアラートが飛ぶように設定するなどの仕組みがあります。
こうしたシステムを活用することで、もし何かあったときもすぐに対処してもらいやすくなります。
また、普段の生活パターンがスマート家電のデータに記録されることで、異変を早期に察知できる可能性も高まります。
例えば、毎日決まった時間に冷蔵庫の開閉があるのに、まったく開閉がなかったら何かあったかもしれない、という推測ができます。
これはあくまで一例ですが、こうしたテクノロジーによるデータ蓄積と解析が、これからの高齢者やおひとりさまの生活をより安心なものへとサポートしてくれるでしょう。
総務省などの公的機関も、IoT(Internet of Things)の普及によって高齢者が安心して暮らせる社会を目指す施策を進めています。
参考:総務省公式サイトでは、ICTを活用した地域支援や高齢者見守りに関する実証事業の情報なども公開されています。
こうした外部リンクもチェックしてみると、スマート家電が果たす役割の大きさがよく分かるはずです。
スマート家電と終活のつながり
終活とは、「人生の最終段階を豊かに、そして自分らしく生きるための準備」でもあります。
老後の暮らしをより快適にし、もしものときの備えを万全にしておくことは、立派な終活の一環です。
特におひとりさまの場合は、緊急時の備えや日常の負担軽減がそのまま生きがいや生活の質(QOL)向上に直結します。
また、おひとりさま終活では、財産管理や遺言書の準備だけでなく、「自分の最期をどう迎えたいか」を考えることが重要です。
たとえば、自分に介護が必要になったときはどんなサービスを利用するのか、どんな環境で暮らしたいのか、といった具体的なイメージを描く中で、スマート家電をどの程度取り入れるかを計画しておくことは大切です。
介護施設への入居が前提ならば、すべてのスマート家電が必要なわけではないかもしれません。
一方、自宅で最期まで過ごしたいという希望があるならば、自宅をどのようにIoT化すれば安全・快適に過ごせるかをあらかじめ考えておく必要があります。
こうしたライフプランを考える上でも、スマート家電の導入は単なる「便利グッズ」以上の価値を持ちます。
身体が動かなくなっても生活の質を保つ助けとなり、緊急時の連絡体制を整え、自分の意志で暮らしをコントロールすることを可能にしてくれるのです。
まさに、「自分らしい老後」を実現するための、大きな味方と言えるでしょう。
老後コンシェルジュによる「おひとりさま終活サポート」とは
特に、おひとりさまの方に対しては、将来の生活における経済面や健康面の不安、そして万一のときの手続きに関するサポートが重要になると考えています。
私が提供している「おひとりさま終活サポート」では、以下のようなご相談・サービスを行っております。
1.ライフプランの設計
毎月の生活費や医療費、介護費などを踏まえた資金計画のご提案
2.医療・介護に関する助言
薬剤師の立場からみた服薬管理や介護サービスの選択肢などをアドバイス
3.遺言書・財産管理のサポート
専門家とも連携しながら、遺言書作成や財産管理の準備を進める
4.スマート家電やテクノロジーの導入提案
ご予算やライフスタイルに合った機器の選定や初期設定のサポート
このように、終活にまつわるあらゆる領域をワンストップでサポートしているため
「何から始めればいいか分からない」
「詳しいことは知りたいけど、自力で調べるのは大変」
といったお悩みを持つ方でも気軽にご相談いただけます。
詳しくは、以下のリンクからご覧ください。
▶項目別サポートはこちら
▶ 終活終身サポートについてはこちら
また、私のブログでは終活や老後のお金のこと、暮らしのヒントなど、様々なトピックを取り上げています。
▶ ブログについてはこちら
まとめ
特におひとりさまの暮らしにおいては、次のようなメリットが得られます。
・家事負担の軽減(ロボット掃除機やスマート炊飯器など)
・安全性の向上(センサー付き照明、転倒検知、遠隔モニタリング)
・健康管理機能(スマートヘルス機器の活用)
・コミュニケーションの円滑化(ビデオ通話や音声アシスタント)
・緊急時対応(連絡システムや遠隔操作による見守り)
これらは単なる「便利なサービス」という枠を超えて、「自分らしい人生の最終段階を送るための手段」としての価値を持っています。
特におひとりさま終活では、自分の暮らしをどのようにコントロールして、もしものときにはどう対処してもらいたいかを明確にしておくことが大切です。
そのツールとしてスマート家電を取り入れるのは、非常に有効な選択肢だと私は考えています。
もちろん、導入コストや設定・操作の難しさ、ネット環境の整備など、いくつかのハードルはあります。
しかし、最近では家電量販店や通信事業者も高齢者向けのサポートを強化しており、初期設定を代行してくれるサービスも増えています。
必要な機能をしっかりと選別して、「これなら自分に合っていそうだ」と思えるものから少しずつ試してみるのがおすすめです。
私自身、さまざまな方の終活相談を受ける中で、「スマート家電を導入してから一人暮らしの不安が軽減した」「外出先からでも家の状態を確認できて、気持ちに余裕ができた」という声を多く頂戴しています。
今回の記事を通じて、「スマート家電が終活の大きな助けになる」というポイントが少しでも伝われば幸いです。
ご自分の生活や健康状態、経済状況に合わせて、無理のない範囲でテクノロジーを活用することで、これからの暮らしをより豊かにしていきましょう。
もし気になることや不安な点があれば、ぜひお気軽にご相談ください。
終活アドバイザー・薬剤師・ファイナンシャルプランナーとして、あなたのライフプランや健康管理、経済的な視点からトータルでサポートいたします。
ご興味がある方は、以下のページよりお問い合わせいただければと思います。
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最後までお読みいただき、ありがとうございました。
あなたのこれからの人生が、テクノロジーの力でより安心・安全・快適になることを心から願っています。