こんにちは。ファイナンシャルプランナー、薬剤師、そして終活アドバイザーの資格を持つ老後コンシェルジュの坂井と申します。日常生活のなかでふと、「この先、私たちはいつまで元気でいられるんだろう?」と感じる瞬間ってありませんか? 私自身も、ある程度健康には自信があるものの、年々少しずつ体力が落ちてきたり、小さなケガが治りにくくなってきたりと、変化を感じることが多くなりました。こうした自分の変化に気づくと、つい「老後」というキーワードを意識することが増えたように思います。
そんなとき、「もしものときの備えは十分かな?」と自問自答すると同時に、これまでの保険加入状況が本当に自分に合っているのか、不安になることがあるんですよね。私が普段、終活アドバイザーとして多くの方のご相談を受けていると、保険の見直しをしていない方が予想以上に多いと気づきます。
「終活」という言葉は、どこか重たさを感じさせるかもしれません。けれど実際には、自分自身や家族が後々困らないようにする“暮らしの準備”と言ってもいいと思っています。特に保険の見直しは、その“準備”のなかでもかなり具体的な行動ができる分野なんです。保険を変えることによって、家計の負担が減ったり、適切な保障を確保できたりと、意外なほど実感しやすいメリットがあるものです。
今日は、そんな保険見直しの意義や、私自身が出会ったさまざまな方のエピソードを交えながら、「人生の集大成」としての終活の一歩をどう踏み出すかをお話ししていきたいと思います。ちょっとした日常のひとコマを切り取ったような視点も混ぜつつ、できるだけわかりやすく、でも少し曖昧さも残しながらお伝えしていきますので、「自分にはどんな選択肢があるんだろう?」という気持ちで読んでいただけると幸いです。

私が老後コンシェルジュになったきっかけ:祖父との別れと気づき
祖父は昔ながらの頑固な職人気質で、家族の前ではなかなか弱音を吐かない人でした。
たとえば、少し足が痛くなったときでも「これくらい大丈夫だ」と言って病院に行かず、結局悪化してから家族が慌てるということもありました。
そんな祖父が、晩年に体調を崩して入院したとき、私たち家族はさまざまな問題に直面しました。
医療費の負担や、祖父が加入していた保険の保障内容が今の医療事情に合っていないなど、思いも寄らない困りごとが次々と浮上したんです。
「もっと早めに分かっていれば、こんなに焦らなくてよかったのに」と後悔した場面も多々ありました。
祖父は古い時代の生命保険に長く加入していましたが、その保障内容は「入院給付金が思ったより低い」「必要のない特約ばかりついている」など、今から見ると不釣り合いな契約でした。
でも、その時点で見直しをしようとしても、年齢的に厳しい条件が多かったり、祖父本人が「もう年だから……」と面倒がってしまったりして、なかなか踏み出せないまま。
そうしているうちに、祖父の容態は悪化し、医療費はかさみ、私たち家族は文字通り“後悔”という言葉を味わうことになりました。
このときの体験が、私の人生の大きな転機となりました。
「同じように先延ばししてしまう人を、私は一人でも減らしたい。少しでも安心して晩年を迎えられるようにお手伝いしたい。」そんな思いが湧き上がり、「老後コンシェルジュ」としての道を歩みはじめたのです。
なぜ今、保険の見直しが必要なのか?
私が以前、60代の田中さん(仮名)という方から相談を受けたときのお話を少しだけご紹介したいと思います。
田中さんは40代のころに、子どもがまだ小さい時期に将来を見据えて生命保険に加入されました。
当時はまだバブル期だったこともあって「大きめの保障があれば安心だ」という考えが一般的でした。
田中さんも例に漏れず、さまざまな特約をつけたりして、なかなか手厚い保険に入られていたんですね。
ところが、いざ60代になって定年退職を目前に控え、改めて保険証券を見てみると、以下のような問題が出てきました。
「もう少し早い段階で見直せばよかった……」と、田中さんご本人もとても悔やまれていましたね。
1.入院給付金の日額が低い
けれど田中さんの保険では、入院日額が予想以上に低く設定されていて、実際に入院した場合の負担を十分カバーできません。
2.必要のない特約がついている
ある特約はまったく使う見込みがなかったものの、保険料を押し上げる要因になっていました。
3.掛け金が現在の収入に見合っていない
それを前提に組んだ保険料だから、退職直前の今となっては負担が大きい。にもかかわらず保障内容が古いままで、メリットを感じにくかったのです。
保険見直しで得られる3つのメリット
保険の見直しというのは、決して「保険をやめる」「保険料を安くする」だけが目的ではありません。
むしろ、自分の人生に合った保障を効率よく確保することが目的です。
ここでは、代表的な3つのメリットを挙げてみます。
1. 経済的な負担の軽減
年金収入のみで生活をするなか、以前からの保険料が家計を圧迫していると感じていたそうです。
・見直し前:月々の保険料45,000円
・見直し後:月々の保険料28,000円
結果的に、年間で約20万円の節約につながりました。
20万円という金額は、小旅行に行くこともできるし、趣味に投資することもできる、生活にちょっとした余裕を生み出すには十分な額ですよね。
ただし、ここで注意してほしいのは、単純に保険料を下げることだけが正解ではないということ。
必要な保障まで削ってしまえば、いざというときに「こんなはずでは……」とさらに不安が大きくなってしまいます。
やはり大切なのは、自分の現在の状況や将来像にマッチした保障を確保しつつ、無駄を省くというバランスなんです。
2. 現代の医療事情に合った保障内容へのアップデート
・入院期間の短縮化
・通院治療の増加
・新しい治療法の登場(手術法、放射線療法、免疫療法など)
たとえば、昔は同じ病気であれば2週間から1カ月は入院が必要と言われていたのに、いまは数日で退院できるケースが当たり前になってきています。
逆に言えば、短期の入院と長めの通院を組み合わせた治療プランが増えているため、入院給付金だけでなく、通院保障の充実が重要になってきているのです。
保険を見直すことで、このような最新の医療事情に対応した保障を手に入れることができます。
それによって治療費を実費で負担するリスクが減り、「お金の心配より治療に専念できる」という心理的安心感が段違いです。
3. ご家族の将来の負担軽減
70代の木村さん(仮名)のケースでは、「子供たちには迷惑をかけたくない」という思いから、20年ほど前に手厚い医療保険に加入されていたそうです。
ところが、保険料を聞いてみると毎月かなりの額で、生活費を圧迫しているとのこと。
木村さんは「いざというとき、入院が長引くかもしれないから……」と考えていたようですが、先ほどお話したとおり医療技術の進歩で入院期間自体が短くなっています。
見直しを行い、最新の保障内容と自分の生活に合った保険商品へ切り替えることで、同じような保障が得られるにもかかわらず、保険料がグッと抑えられたんです。
その結果、ご自身も負担感が減って、なおかつお子さんたちにも余計な心配をかけないで済むようになりました。
「子供たちには私の医療費のことで苦労をかけたくないし、でも高額な保険料をずっと払い続けるのもしんどいし……」というジレンマは、多くの方が抱えているのではないでしょうか。
見直しによって、そうした悩みを解消できる可能性は十分にあると感じます。
終活における保険見直しのタイミング
結論から言えば、人それぞれの状況や年齢によって違うので、一概に「○歳がベスト」とは言い切れません。
ただ、私のこれまでの経験上、下記のようなタイミングは要チェックだと思っています。
1.定年退職前後
退職金や年金のタイミングで家計の状況が大きく変わるので、一度じっくり保険証券を見直してみると良いでしょう。
2.子どもの独立後
お子さんの教育費や生活費の負担が減るタイミングです。
それまで必要だと思っていた死亡保障なども、実際は過大になっている可能性があります。
3.持病や通院が増えてきた時
体力的に変化を感じはじめると、医療保険の重要性が増します。
そのタイミングで最新の医療事情に対応した商品を検討するのも一案です。
4.配偶者との死別後
配偶者がいたからこそ必要だった保障、もしくは共通で備えていた保険が、状況によっては不要になるかもしれません。
残された方が払えなくなったり、逆に保障が足りなかったりすることもあるので、見直しが必要です。
いずれにしても、人生には予期せぬ出来事がつきものです。
私の場合、祖父の介護に突然向き合わなければならなくなり、あわてて情報収集した覚えがあります。
できるだけ早い段階から定期的に保険をチェックし、環境や身体の変化に合わせて最適化していくのがベストだと考えています。
よくある疑問にお答えします
Q:「年齢的に新しい保険に入れないのでは?」
でも、最近は高齢者向けの保険商品も増えてきていて、比較的加入しやすいものもあるんですよ。
病気の既往歴がある方でも、告知内容をしっかり確認すれば入れる可能性は十分あります。
一度専門家に相談してみることをおすすめします。
Q:「見直しのタイミングって、具体的にはいつがいいの?」
ただ、私の経験上は65歳前後が一つの区切りになりやすいと思います。
なぜなら、年金の受給開始が絡んだり、定年退職で働き方や収入が変わったりする節目だからです。
ただし、個人のライフスタイルや健康状態にも影響されるので、あくまでも目安として考えていただければと思います。
保険見直しは「終活の第一歩」
私も祖父の最期のときは、「まだこんなに元気なのに、終活なんて言いたくないよ」と、どこかで感じていました。
でも、実際に自分が終活アドバイザーとして多くの方と接してきてわかったのは、終活は決して「自分の人生の終わりを準備するだけ」の活動ではない、ということです。
むしろ、「残りの人生をどうやって自分らしく過ごすか」「大切な人たちに迷惑をかけないようにしながら、どうゆったりとした時間を過ごすか」を考える、前向きな活動なんだと感じるんです。
保険の見直しは、その終活の入り口として非常にわかりやすいテーマだと思います。
なぜなら、保険証券を確認し、いまの自分の状況と照らし合わせながら「ここは削れるかもしれない」「ここは絶対残しておきたい」という具体的な行動につなげやすいからです。
結果が保険料の節約や、より安心できる保障につながれば、「あ、終活ってこういう形で生活に役立つんだ」と実感できますし、それが家族とのコミュニケーションにも広がっていきます。
たとえば、最近私は、実の母と一緒に保険証券を眺めながら夕飯を食べるという時間を作りました。
母は数年前に軽い脳梗塞を経験したことで医療保険を見直したのですが、退院後の通院が想像以上に長引いて思ったよりもお金がかかったそうです。
「あのとき見直してなかったら、もっと厳しかったわね」と母はしみじみ話していましたが、その反面、「でも、こんなふうにあなたと一緒に話せて、私の考えを理解してもらえるのはうれしい」とも言ってくれました。
こうした日常のなかの一コマが、実は家族の絆を深めるきっかけにもなると感じています。
老後コンシェルジュとしての私の想い
どちらも「お金」や「健康」が大きなテーマになりますし、人間が生きていくうえで切り離せない要素だからこそ、そこにはそれぞれの人の悩みや不安が詰まっています。
終活アドバイザーとして、いろいろなご家族のドラマに触れるうち、「保険の見直し」は本当に多くの方に必要とされているんだな、と改めて実感します。
ときには、「こんなに昔の保険証券が出てきた!」と話を聞いて驚くこともあります。
押し入れの奥にしまい込んだ証券を久しぶりに見たら、誰も契約内容を覚えていなかったとか、もう保険会社自体が合併して社名が変わっていたなんてことも、わりとよくある話です。
最初は「大丈夫かな?」と不安そうにご相談にいらっしゃった方でも、見直し後に「こんなにすっきりした気持ちになるなんて思わなかった!」と晴れやかな笑顔を見せてくださる瞬間が、私はとても好きです。
その笑顔を見たとき、「ああ、やっぱりこのお仕事をやっていてよかった」と心から思えます。
迷ったときこそ、一度プロに相談を
保険商品は日々進化し、数も多種多様。
「どれが自分に合っているのか」「見直した結果、本当に得になるのか」など、不安要素は尽きません。
だからこそ、迷ったときはプロに相談するというのも選択肢のひとつです。
ファイナンシャルプランナーとしての知識はもちろんのこと、薬剤師や終活アドバイザーとしての視点からも「今後の医療費はこんなふうにかかるかもしれない」「こういった通院が増える可能性がある」など、現実的なシミュレーションを一緒にできるのが私の強みだと思っています。
一人でコツコツ情報を集めるのが得意な方は、もちろんご自分でじっくり調べて、複数の保険会社を比較するという手もあります。
でも、なかには「どう比較すればいいのかわからない」「数が多すぎて選べない」と感じる方も多いでしょう。
そういった方は、どうか気負わずに専門家を頼ってみてください。
終わりに:保険見直しから始める「自分らしい人生設計」
自分の気持ちや家族のことを整理して、これからをどう前向きに生きていくかを考えるきっかけになる活動なのです。
保険の見直しは、その最初の一歩として最適なアクションだと私は考えます。理由はシンプルで、行動に移しやすいから。
自分の加入している保険証券を出して、保障内容を確認して、もし不安や疑問があれば問い合わせたり、アドバイザーに聞いてみたり……というプロセスを踏むことで、実際の金額や保障を見直していく流れが自然と生まれます。
その過程で家族とも話し合いが増えたり、友人や知人に相談してみたら思わぬ情報が得られたり、思いがけない方向に会話が広がることもあるでしょう。
そうした一つひとつのやりとりが、「自分はどんなふうに老後を過ごしたいのか」「どういう備えが必要なのか」をしっかりイメージする手がかりになるんですね。
もし、この記事を読んで少しでも「保険を見直したほうがいいのかも」「とりあえず証券を確認してみようかな」という気持ちになっていただけたら、それがもう“始まり”です。
一歩踏み出してみると、意外にもスムーズに次の手順が見えてきます。
そして、もしその先でつまずいたり、専門知識が必要になったりしたら、どうぞ遠慮なくご相談ください。
老後コンシェルジュの私が、ファイナンシャルプランナー・薬剤師・終活アドバイザーそれぞれの立場から総合的にサポートさせていただきます。
「おひとりさま終活サポート」というと、ひとりでやることが多くて大変そう……と感じるかもしれません。
でも、実際には少しのサポートで、驚くほど心の荷が軽くなることがあるんですよ。
保険の見直しをはじめ、持病のことや今後の介護のこと、さらには相続やお金の管理のことなど、一緒に考えていけたらうれしいです。
ぜひこの機会に、ご自身の保険証券を手にとってみませんか?
日常生活の中の何気ないタイミングで構いません。
ちょっとした空き時間にでも、「あれ、私が入っているのはどんな保険だっけ?」と眺めてみるだけでも、大きな気づきにつながるかもしれません。
それでは、最後までお付き合いいただきありがとうございました。
皆さんが自分らしく、安心して、そして大切な人たちと笑顔で過ごせる老後を迎えるためのヒントとして、今回のお話が少しでもお役に立てば幸いです。
もし迷ったら、どうか一人で抱え込まずに、気軽に声をかけてくださいね。
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