「おひとりさま」として迎える老後は、誰にも気兼ねなく自由を謳歌できる一方で、ふとした拍子に将来への不安がよぎることもあるものです。
特に年金受給が始まると、資金面や健康面について、「このままの暮らしを続けて大丈夫かな」「もしも大きな病気になったらどうしよう」といった漠然とした心配が頭をもたげる方は少なくありません。
実は、そうした悩みは決してあなただけの特別なものではなく、おひとりさま終活に取り組む多くの方が抱える共通の思いです。
私は、これまで終活アドバイザー・薬剤師・ファイナンシャルプランナーといった複数の資格と経験を活かし、数多くの方々と一緒に老後の暮らしを見直してきました。
●将来の医療費や介護費がどのくらいかかるのか見当がつかない
●どの程度のお金を毎月使って大丈夫なのか分からず、常に不安を感じる
●おひとりさまだからこそ、何かあったときに相談できる相手が欲しい
こうした声を受け、私は「おひとりさま終活サポート」という形で総合的なお手伝いを行っています。
もちろん、人生は誰にも先が読めません。
でも、だからこそ「ざっくりとでも見通しを立てる」ことが心のゆとりにつながり、安心感を得るきっかけになります。
本記事では、「老後資金計画」という切り口で見えてくるおひとりさま終活の重要性についてお伝えします。
そして、その資金計画は単にお金の管理にとどまらず、これから先をどう生きていくかを明確にしていく作業でもあることを、具体的な例やちょっとした体験談を交えながら紹介していきます。

1.老後資金計画が必要とされる背景
特におひとりさまの場合、パートナーや家族と一緒に支え合うよりも、経済的・精神的に不安になりやすい場面が多くなるのが実情です。
突然の医療費や介護費の増加
Cさんは若い頃からコツコツと貯蓄を重ね、「老後の蓄えはまずまず」と思っていたそうです。
ところが、膝の痛みが酷くなり、思った以上に医療費がかさんできました。
さらに、介護保険を利用することになったり、自宅の給湯器や冷蔵庫など家電製品の故障が重なったりと、想定外の出費が次々に押し寄せたのです。
「何にどれだけお金がかかるのか」と、未来のことが分からない以上、ふとした瞬間に漠然とした不安が胸をよぎるのは当然かもしれません。
おひとりさま終活を考える上で、まずは「どんな支出が潜んでいるのか」をざっくりと把握し、ある程度の資金計画を持つことが大切になります。
収入が増える見通しが立ちにくい
しかし、年齢を重ねるごとに体力の低下や病気のリスクは高まりますので、「いざというとき働けない」状況にも備えたいところです。
将来的に十分な収入を確保できないかもしれない――こうした不確実性が、不安感を増幅させる大きな理由のひとつになっています。
精神的支えの不足
そもそも生涯独身という道を選ぶ人が増加している現代では、「老後を誰に相談しながら生きていくのか」という悩みが深刻化しがちです。
さらに経済的な不安がのしかかると、心の平穏が揺らぎやすくなるでしょう。
こうした背景があるからこそ、おひとりさま終活における「老後資金計画」は、今後の生活に安心感をもたらす鍵として注目されているのです。
2.おひとりさま終活サポートで提供できること
・終活アドバイザー
人生の最終段階を見据えた心の整理や、必要書類の準備、遺言書やエンディングノートなどのアドバイス
・ファイナンシャルプランナー
家計の見直しや貯蓄・投資の相談、公的制度の活用など資金面での具体策
・薬剤師
健康管理や医療費に関する知識を元に、将来的な医療費や介護費の予測などヘルスケア面からのアドバイス
この3つのアプローチを同時に行うことで、単に「お金」にとどまらず、これからどんな暮らし方をしたいかまで含めた「総合的な終活の設計図」を描くお手伝いができます。
2-1.将来の医療・介護費用をゆるやかに見積
薬剤師という立場から、予想される疾患や治療内容、薬代の目安、そして介護サービスの活用度合いをある程度シミュレーションし、おひとりさまの場合は特に「もしも症状が進んだらどうするか」の選択肢を一緒に考えます。
たとえば、糖尿病や高血圧など生活習慣病の治療を受けている方は、今後薬が増える可能性を想定し、毎月どれくらいの出費が予想されるかをざっくりと計算してみるだけでも心持ちは変わります。
これは「まったく分からない」状態から「ある程度知っている」状態に変化する大きな一歩です。
さらに、介護保険を利用することになった場合、どの程度の自己負担が生じるのか、介護度が上がったらどんなサービスが追加で利用できるのか、といった制度の基本的な仕組みもお伝えします。
詳しい資料やデータは、厚生労働省のサイトや自治体の窓口でも入手可能ですが、膨大な情報を自力で読み解くのは大変です。
そこを私がかみ砕いて解説し、要点をまとめることで、「何となく難しくて敬遠していた」介護保険制度を、身近なサポートとして再認識していただけるようになります。
2-2.日常生活費の工夫と予算調整
現状の家計簿や銀行通帳などを一緒に確認し、無理のない節約ポイントを探します。
「節約」という言葉に抵抗がある方もいますが、ちょっとした工夫だけで年単位で数万円の節約になることも珍しくありません。
・通信費の見直し
スマートフォンや固定電話、インターネット回線などのプランを変更しただけで月々数千円安くなるケース
・公共料金の割引制度
電力会社やガス会社によるシニア向けプランやセット割引などが適用できないか確認
・日用品・食費の支出を抑える
地元スーパーの特売日やシニア向けサービスを活用し、必要以上に買い込まないよう工夫する
・地域のコミュニティサービス
シニア割引が適用される宅配弁当や移動サービス、あるいは地域のボランティアによる補助・支援
こうしたポイントをひとつひとつ探っていくことで、日常生活の質はなるべく落とさずに無駄な出費を減らし、結果的に資金全体の管理が格段にしやすくなります。
ある方は長年、固定電話とネット回線を別会社で契約していたのを1本化するだけで、年間数万円のコスト削減ができたと喜んでいました。
また、家計管理が苦手な方には、「細かい家計簿をつけなくても、いくつかの費目に分けてざっくり把握するだけでも十分ですよ」と提案しています。
大切なのは、数字を正確に記録することよりも、自分自身がどのくらいのペースで支出しているかを意識することだからです。
2-3.公的制度や支援策を情報源に
意外と知られていない制度や、条件によっては大きなメリットが得られる支援策が数多くあります。
・医療費補助制度
高額療養費制度や限度額適用認定証など、医療費がかさむときに自己負担を軽減する仕組み
・住宅改修補助
介護保険の一環として、自宅のバリアフリー工事費用を一部補助してもらえる場合がある
・自治体独自のサービス
各地域の見守りサービスや買い物代行、生きがいづくりのための講座やイベントなど
「こんなサービスがあったんですね」と驚かれる方も多く、それを知っただけでも「将来的に利用できる手段がある」という心強さを得ることができます。
「老後の暮らしは自分一人で完結しなくちゃいけない」と思い込みすぎると、不安が増幅しがちです。
そこに公的な力や地域のサポートを上手に取り込むことで、おひとりさま終活の安心感は格段に高まります。
3.老後資金計画を「生き方」として再定義する
むしろ、それは「これから先、自分がどう生きたいのか」という生き方そのものを再定義する作業でもあります。
小さな希望を予算化してみる
・「毎月1度はお気に入りの喫茶店で、ちょっと贅沢な和菓子を楽しみたい」
・「趣味の園芸を続けるために、もう少し良いガーデニング道具を買いたい」
・「体力があるうちに国内旅行や温泉巡りを楽しみたい」
こうした小さな希望を「どれくらいのお金をかけるか」と具体的に考えてみると、実はそんなに高くないことも多いものです。
逆に「このくらいなら続けられそう」という“現実的な目標”を設定することで、日々の楽しみがはっきりとした形を伴うようになります。
こうやって生活にメリハリをつけることで、終活という言葉にあるような人生の締めくくりを考えるというよりも、「これから先を元気に、前向きに生きるためのプランニング」という感覚に変わっていきます。
数字を変えると人生の選択肢も変わる
たとえば、使わなくなった物をメルカリなどで売る、趣味を副業にして少しだけ収入を得る、地域のフリーマーケットで手作り作品を販売する――そうした取り組みを通じて、新しい出会いや楽しみが広がるかもしれません。
数字(予算)を変えることは、同時に人生の選択肢を増やすことにもつながります。
だからこそ、「老後資金計画」は自分の将来像を明確にする大切なツールなのです。
4.不安を口に出せる場所を持つ大切さ
おひとりさまとして暮らしていると、悩みを打ち明ける相手や、具体的なアドバイスをくれる人が周りにいない場合もあります。
そんなときにこそ、「不安を口に出せる場所」を持つことがとても重要です。
一人で抱え込まない
私のところへご相談に来る方の中には、「数字の計算が苦手ですし、分からない専門用語も多くて、頭が痛くなるんです」とおっしゃる方もいます。
その場合は、あえてざっくりとした概算だけ提示し、「こういうふうに考えれば、今のままでも大丈夫ですよ」と具体例を示すだけでホッとされることもあります。
逆に、「私は細かく分析するのが好き」という方には、グラフやシミュレーションソフトなどを使って、納得がいくまで何度でも数字を見直すことが可能です。
終活アドバイザーとファイナンシャルプランナーの知識を組み合わせることで、柔軟に対応できるのは私の強みだと感じています。
不安を共有することで生まれる連帯感
おひとりさま終活で悩む方々が集まる交流会や勉強会に参加して、「私と同じ悩みを持った方がこんなにいるんだ」と気づくと、それだけで気持ちが楽になるケースは多いです。
特に身近に相談相手がいないときは、ぜひ専門家の力や、同じ立場の方と交流できる機会を活用してみてください。
不安を口に出せる場所があるのとないのとでは、老後の安心感に大きな差が生まれます。
5.まとめ:おひとりさま終活サポートから始まる安心づくり
お金の計画は、自分らしい「終活」のスタートライン
しかし、実際にはそれを立てるプロセスこそが、「自分はどんなふうに暮らしたいのか」を再確認する大切な時間です。
・「いつまでも好きな趣味を続けたい」
・「友人とたまに小旅行を楽しみたい」
・「時間があるからこそ、新たな学びやボランティアに挑戦したい」
そうした前向きな目標があるからこそ、「どのくらいの費用が必要か」「生活費をどうやってやりくりするか」を考える意味が生まれます。
結果として、将来への漠然とした不安だけでなく、「こうやって生きていこう」という目的意識をもてるようになるのです。
一歩踏み出す勇気が、これからの生活を変える
しかし、少しずつ状況を整理し、必要な費用を洗い出していくうちに、「これなら何とかやっていけそうだ」と思えるようになった方がたくさんいらっしゃいます。
終活アドバイザー・ファイナンシャルプランナー・薬剤師という三つの資格をもつ私、老後コンシェルジュの私が、そんな皆さまの「迷い」や「分からない」を一緒に解きほぐし、具体的な道筋を示すお手伝いをいたします。
参考:ブログで終活情報をもっとチェック
より詳しい終活情報や、実際にサポートを受けられた方の体験談などは、
こちらのブログ
でも随時ご紹介しています。
ぜひあわせてご覧ください。
あなたに合った老後の形を一緒に描いてみませんか?
人生の最終章に向かう途中で、健康状態が変わったり、思わぬアクシデントに見舞われたり、状況はいくらでも変化しうるからです。
ただし、「漠然とした不安を抱えたままか、それとも方向性をある程度定めておくか」では、大きな違いが生まれます。
・方向性を定める:
大まかでもいいので、どんな支出が予想されるか、どんな暮らしを望むか、ざっくりとしたプランを立てる
・日常の工夫:
節約ポイントを見つけ、健康面の維持や公的サポートの活用で出費をコントロール
・心のゆとり:
計画があるからこそ、「もしこうなったらどうしよう」という不安を必要以上に抱え込まずに済む
こうしたステップを踏んでいくことで、おひとりさまであっても穏やかな未来への展望を持ち、日々を楽しく過ごすことが十分に可能になります。
曖昧さを恐れず、まずは一歩を踏み出す
むしろ、最初から完璧を求めてしまうと、プレッシャーで動きが取れなくなることのほうが多いのです。
大切なのは、「ざっくりとした形でもいいから、自分の未来をちょっとだけ見通す」こと。
予想外の変化が起きたときは、その都度修正すればOKです。
「最初からすべてを決めるのは難しいけれど、とりあえず目標を設定してみよう」と動き始めれば、自然と少しずつ情報が集まり、必要なネットワークや支援先が見えてきます。
最後に:一筋の光を見つけるお手伝いをします
老後コンシェルジュは、「分からないことを一緒に探りながら、必要な情報を整理し、行動につなげる」ことを得意としています。
・終活アドバイザーとしての視点
大切な情報(エンディングノート、遺言書、相続や葬儀の準備など)をどう整理するか
・ファイナンシャルプランナーとしての視点
毎月の生活費や予想される医療・介護費をシミュレーションし、可能な出費と貯蓄のバランスを考える
・薬剤師としての視点
健康管理や医療費、介護サービスの選択肢を踏まえながら、将来的にどんな支援が受けられるかをアドバイス
それらをトータルに組み合わせることで、ただ「お金を貯める」だけではなく、「これからどう生きていくか」を一緒に探っていきます。
「完璧な答えはない」と分かった上で、「こうすれば今よりは安心できる」という一筋の光を見つけていく――それこそが、私がおひとりさま終活サポートを通じて目指すゴールです。
もし、「今まで誰にも相談できなかった」という思いを抱えているなら、どうぞ気軽に声をかけてください。
おひとりさま終活における老後資金計画は、不安を大きく軽減し、心のゆとりをもたらしてくれる重要なステップです。
私の経験上、一度きちんと将来像を整理しておくと、その後の生活が見違えるほどスムーズになったり、趣味や人付き合いを再開・継続する活力になったりします。
「ずっと先延ばしにしてきたけれど、そろそろ本格的に終活を考えたい」「一人だからこそ、どこかで専門家の意見を聞きたい」という気持ちが少しでもあるなら、ぜひ一度ご連絡ください。
あなたの人生設計に寄り添う老後コンシェルジュが、真摯にお話を伺い、寄り添い、最適なサポートのかたちを一緒に見つけていきます。
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「曖昧な未来」は誰にとっても怖いものですが、「少しだけ輪郭が見えた未来」は、意外にも穏やかな安心感をもたらしてくれます。
そこに向かって、一緒に小さな一歩を踏み出してみませんか?
あなたの毎日が、より豊かで、より笑顔にあふれるものになるよう、心から応援しています。