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終活で避けては通れない借入金整理 〜その時、家族を苦しめないために〜

終活で避けては通れない借入金整理 〜その時、家族を苦しめないために〜

こんにちは。終活ケアドクターの坂井です。今日は少し重たいテーマかもしれませんが、私たちが必ず向き合わなければならない「借入金・負債の整理」について、お話しさせていただきます。

私が薬剤師として経験した、ある患者さんの物語

以前、がん治療中の患者さんから相談を受けたことがあります。
「治療費のことは家族に話せない。住宅ローンもまだ残っているのに...」という言葉に、胸が締め付けられる思いでした。

なぜ、借入金の整理が終活に重要なのか

実は、多くの方が借入金の整理を後回しにしています。
「まだ大丈夫」「その時になったら...」。
でも、その「その時」が突然やってくることも、私たちは知っているはずです。

具体的な整理ポイントと、実際にあった事例

1. ローン残高の確認で見えてくるもの

<住宅ローンの場合>

先日、60代の田中さんご夫婦の相談を受けました。
「夫が認知症になってから、住宅ローンの残高が分からなくなってしまって...」
このケースでは、事前の確認があれば、もっとスムーズな対応ができたはずでした。

<自動車ローン・クレジットカードのリボ払い>

「え!こんなにリボ払いの残高があったの!?」
よく聞く驚きの声です。特にクレジットカードは、複数枚持っている方も多く、把握が難しいものです。

2. 保証人・連帯保証人の確認がもたらす安心

実体験をお話しします。
ある40代の女性から相談を受けた時のこと。
お父様の連帯保証人になっていたことを、お父様の入院後に初めて知ったそうです。
このような事態を防ぐためにも、事前確認が重要なんです。

<確認すべきポイント>

・誰の借入金の保証人になっているか
・保証の範囲はどこまでか
・解除できる可能性はあるか

3. 返済計画と借入金解消への道筋

「返済計画」という言葉、少し堅苦しく聞こえるかもしれません。
でも、これは家族への最後の思いやりなんです。

<ある経営者の選択>

65歳の中小企業経営者、山田さんの例をお話しします。
「会社の借入金があるうちは引退できない」と思い込んでいた山田さん。
一緒に計画を立てることで、3年かけて借入金を整理し、後継者への円滑な事業承継ができました。

借入金整理がもたらす4つのメリット

1.家族の精神的負担軽減

・突然の出来事への備え
・遺された家族の混乱防止
・将来への不安解消

2.経済的な余裕の創出

・計画的な返済による家計改善
・予期せぬ支出への対応力向上
・相続時のトラブル防止

3.家族関係の強化

・オープンなコミュニケーションの機会
・互いの状況理解
・信頼関係の構築

4.人生の質の向上

・心の安らぎ
・残された時間の充実
・より良い選択肢の確保

終活ケアドクターとしての私からのアドバイス

すぐにできる3つのステップ

1.まずは現状把握から

・手元にある借入関係の書類を集める
・残高証明書を取り寄せる
・返済予定表を確認する

2.家族との対話を始める

・定期的な話し合いの機会を設ける
・互いの状況を共有する
・将来の計画を立てる

3.専門家への相談

・必要に応じて法律の専門家に相談
・金融機関との交渉サポート
・返済計画の見直し

最後に:借金整理は決して恥ずかしいことではない

ファイナンシャルプランナーとして多くの方と接してきましたが、借入金の整理は誰にでも起こりうる課題です。
大切なのは、向き合う勇気を持つこと。

私の経験から学んだこと

薬剤師時代、経済的な理由で治療を諦めようとする患者さんを何人も見てきました。
その経験が、今の私の原動力になっています。
人生の最期まで、自分らしく生きるために、借入金の整理は、その第一歩なのかもしれません。
明日からでも始められる小さな一歩
それが、あなたと家族の未来を守る大きな一歩になるはずです。