Blog ブログ

デジタル時代の終活:デジタル資産の整理の必要性

デジタル時代の終活:デジタル資産の整理の必要性

こんにちは。終活ケアドクターの坂井です。今日は、私が日々の業務で特に重要性を感じている「デジタル資産の整理」についてお話ししたいと思います。

はじめに:私が実感した、デジタル資産整理の必要性

先日、あるご遺族の方から相談を受けた時のことです。
お父様が突然亡くなられ、スマートフォンやパソコンにアクセスできず、重要なデータや写真にアクセスできない状況に陥っていました。
さらに、サブスクリプションの解約もままならず、毎月引き落としが続いているという状況でした。

このような事例は、実は珍しくありません。
デジタル化が進んだ現代では、私たちの生活の多くの部分がデジタル上で管理されています。
そのため、終活においてデジタル資産の整理は避けては通れない重要なテーマとなっています。

デジタル資産整理で対応すべき3つの重要項目

1. SNSアカウントの情報管理

なぜSNS対策が必要なのか
私の経験上、SNSアカウントの放置は思わぬトラブルを引き起こすことがあります。
例えば、

・アカウントが乗っ取られるリスク
・故人の思い出の写真や投稿が適切に管理されない
・大切な人とのメッセージのやり取りが失われる

実際に、あるクライアントさんは、お母様のFacebookアカウントが残されたままになっていたため、誕生日通知が届き続け心を痛めていたそうです。

<具体的な対策方法>

・Facebookの「追悼アカウント」設定
・Instagramの「追悼アカウント」設定
・Xアカウントの削除

2. サブスクリプションサービスの整理

毎月の支払いが続くサブスクリプションサービスは、放置すると遺族の方の負担となります。
私のお客様の中には、故人のNetflixやSpotifyの支払いが半年以上続いていたという方もいらっしゃいました。
チェックすべきサービス例:

・動画配信(Netflix, Amazon Prime, Disney+など)
・音楽配信(Spotify, Apple Musicなど)
・クラウドストレージ(iCloud, Google Drive, Dropboxなど)
・その他定額サービス(各種新聞購読、アプリ課金など)

3. 暗号資産の管理

暗号資産に関しては特に慎重な対応が必要です。
私が経験した中で最も深刻だったケースは、故人が所有していた数百万円分の仮想通貨が、ウォレット情報の未整理により、アクセス不能になってしまったというものでした。

<必要な準備>

・ウォレットの種類と保管場所の記録
・秘密鍵や合言葉の安全な保管方法の確立
・取引所のアカウント情報の整理
・相続人への引継ぎ方法の明確化

デジタル資産整理のメリット

1.遺族の負担軽減

私の経験上、デジタル資産が整理されていないケースでは、遺族の方が必要以上にストレスを抱えることになります。
「パスワードが分からない」「解約の仕方が分からない」という声をよく耳にします。

2.思い出の保存

デジタルデータには、大切な思い出が詰まっています。
クラウド上の写真、SNSでの投稿、メッセージのやり取りなど、これらは現代における貴重な遺産とも言えます。

3.経済的なメリット

未整理のままだと、不要な支払いが続いたり、暗号資産が失われたりするリスクがあります。
きちんと整理することで、このような無駄を防ぐことができます。

終活ケアドクターとしての提言

私は多くのケースを見てきましたが、デジタル資産の整理は「今できる最大の思いやり」だと考えています。
特に以下の点を意識して準備することをお勧めします。

・定期的な情報の更新(半年に1回程度)
・家族との情報共有(どこに何が保管されているか)
・セキュリティと使いやすさのバランス

まとめ:デジタル資産整理は現代の「遺す準備」

時代とともに、終活の形も変化しています。
デジタル資産の整理は、決して特別なことではなく、現代を生きる私たちにとって自然な「遺す準備」の一つとなっています。

この記事を読んでくださった方には、ぜひ一度、ご自身のデジタル資産を見直してみることをお勧めします。
今日からでも、少しずつ始められることがたくさんあります。

最後に、私からのアドバイスです。
完璧を求めすぎる必要はありません。まずは自分にとって大切なものから、できることから始めていきましょう。
それが、あなたの大切な人への最高の贈り物となるはずです。

終活のカウンセリングをご要望の方は、いつでも無料相談を受け付けておりますので、是非お問い合わせからご連絡ください。