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お墓を事前に検討するメリットについて

お墓を事前に検討するメリットについて

私は「老後コンシェルジュ」として活動している坂井と申します。終活アドバイザー、薬剤師、ファイナンシャルプランナーといった資格を持ち、「おひとりさま終活サポート」を主なサービスとして提供しています。「老後の安心ってどうやって手に入れるの?」「自分が亡くなったあとのことって、周りの人に迷惑をかけずにすませたいけれど、何から準備すればいいかわからない」というお悩みを抱える方は、実は思っている以上に多いんです。

なかでも、「お墓をどうするか」は多くの方が悩むテーマの一つです。一方で「お墓のことを考えるなんて、まだまだ先の話」という声も当然あります。私も普段は自分の健康のことや、日常生活のバタバタに追われて、お墓のことなんてなかなか頭に浮かばない、というお気持ちはよくわかります。

しかし、いざ自分自身の“最後”に向き合ったとき、「あれ、自分のお墓ってどうするんだろう?」「家族と離れて暮らしているから、ちゃんとお墓参りしてくれるのかな?」とふと不安になったり、または「子どもや親せきに負担をかけたくないんだけど、どんな方法があるの?」と思い悩んだりする方がたくさんいらっしゃいます。そうした“漠然とした不安”を解消するきっかけとして、実は今、「生前にお墓の準備をする」という動きが少しずつ広まってきています。

そこで今回は、私の経験を踏まえつつ、「お墓を事前に検討するメリット」や具体的な進め方、そしてそれによって得られる“安心”や“家族への思いやり”について、できるだけわかりやすくお伝えしていきます。皆さんそれぞれの状況や考え方があると思いますので、すべての方に同じ方法が合うとは限りませんが、「ちょっと自分のケースに当てはめるなら、どうなるんだろう?」と想像しながら読んでいただけたら嬉しいです。

お墓を「事前に」考えることの大きな意味

「お墓を生前に決めるなんて、縁起でもない」と言われることもありますが、私はそうは思いません。
むしろ、「自分の最後に向き合うこと=本気で今を生きること」だと考えています。
亡くなったあとに関することは、どうしても自分では手続きできない部分が多いですよね。
ということは、少なくとも自分でコントロールできる段階である“今”だからこそ、ある程度は自分の考えを反映した形にしておける、というわけです。

実際に、生前にお墓を選んだ方の多くは、「自分が亡くなった後に、家族に必要以上の手間や費用面での負担をかけたくない」とおっしゃいます。
また、お墓の形や場所を自分の価値観に合わせて選ぶことで、「自分らしい最後が迎えられる気がする」と言って安心される方もいます。

もちろん、お墓を事前に考えることで得られるものは「安心感」だけではありません。
何となく「終活」を始めてみたいけれど、どこから手をつけていいか分からないという方にとって、お墓の検討は非常に分かりやすいスタートとも言えます。
具体的な予算や立地、希望するデザインや供養の仕方を考える中で、将来の暮らしや家族との関係を改めて見つめ直すきっかけになることも多いのです。

私が感じた「お墓準備」の必要性
~日常に潜む不安と向き合う~

私が終活アドバイザーとして活動を始めて間もない頃、あるご高齢の女性の方からこんなご相談を受けました。

「息子夫婦が遠方に住んでいるから、もし私が亡くなってしまったら、色々と手続きやらお墓の準備やらで大変な思いをさせるかもしれない…。でも、どういう方法があるのか、そもそもお墓ってどれくらい費用がかかるのか、さっぱりわからないのよ」

この方は、とても優しくて気遣いのできる方でした。
だからこそ、「家族に迷惑をかけたくない」というお気持ちが人一倍強かったのだと思います。
日常生活を送る上では元気そうに見えるものの、心のどこかにずっと小さな不安が引っかかっていたようです。

私はファイナンシャルプランナーの視点から、まずは大まかな費用の相場や支払い方法などを整理するところから始めました。
その後、「お墓の管理はどの程度手間がかかるのか」や「どういう種類のお墓があるのか」といった具体的な情報をお伝えし、さらに「もしお墓参りに来てもらえなくても、自分は納得できるのか」といった感情面のお話も一緒に考えました。
すると、「これまで考えたこともなかったけれど、永代供養のお墓なら息子夫婦に無理をさせずにすむかもしれない」「予算的にも、私の年金や貯蓄で無理なく支払いができそうだ」と、少しずつ安心されていったのを覚えています。

実際に、その方は最終的に永代供養付きのお墓を選ばれ、契約を済ませたあとにこうおっしゃいました。

「自分の中のモヤモヤが消えて、今の暮らしをもっと大事にしたいと思えるようになったの。いざという時に慌てなくていいようにしておけば、普段はあまり気にしなくて済むのね」

お墓の準備そのものが、日常の不安を取り除き、逆に今を豊かに生きるきっかけになる。
私自身、このエピソードから改めて「お墓や葬儀のことなど、普段は考えたくないことだからこそ、早めに考える意味があるんだな」と実感しました。

お墓を事前に検討するメリット

ここでは改めて、お墓を生前に考えることのメリットをいくつか整理してみたいと思います。
すでに感じていただいている方もいるかもしれませんが、あえて“表に出して言語化”することで、ご自身やご家族の状況を照らし合わせていただければと思います。

1. 家族に負担をかけずに「想い」を形にできる

生前にお墓を検討しておくと、残された家族が「どこにお墓を建てるか」「どういった形態がいいのか」「予算はどれくらいか」という大きな判断を迫られにくくなります。
特に遠方に住んでいるご家族や、普段から頻繁に連絡をとらないご家族がいる場合、葬儀の段取りとお墓探しを同時並行で行うのは、精神的にも時間的にも負担が大きいです。

また、「自分がどんな形で供養されたいか」という想いを自分で具体化できるのも、生前検討の醍醐味です。
一般的な石のお墓なのか、納骨堂や樹木葬なのか、あるいは海洋散骨という選択肢も最近では話題になっていますよね。
こうした選択は人生観や宗教観、家族の事情などが大きく関わりますから、やはり本人の意思が尊重される形で決められるのは、大きな安心感につながると感じます。

2. 費用面の見通しを立てやすい

お墓の種類や場所によって費用は大きく変わってきます。
一般墓でも、都心の人気霊園と地方の霊園では初期費用が何倍も違うことがありますし、永代供養墓や納骨堂にもさまざまなプランがあります。
ファイナンシャルプランナーとして私がよく感じるのは、「知らないままに先延ばしにしてしまうと、いざ必要になったときに慌てて高額なお墓を契約してしまう可能性がある」ということです。

生前に検討しておけば、実際の予算に合わせてゆっくりと比較検討ができますし、分割払いなどの支払い方法も選びやすくなります。
「こんなに高いって知らなかった…」と後悔しなくて済むのは、家計管理の面でも大切なポイントです。

3. 生きるうえでの精神的安心と心の整理

「お墓を持つこと」が幸せなのか、「供養の形にとらわれず自由なスタイルを選ぶこと」が自分に合っているのかは、人それぞれ違います。
ただ、どちらにしても「自分で選んだ」という事実が、心を落ち着けてくれるケースは多いです。

生前に「ここに眠ろう」と決めることは、ある意味、自分の生き方や人生観を再確認する機会でもあります。
「私、こういうことが大事だったんだな」「結局、家族のことを優先的に考えているな」など、普段は意識していなかった価値観を再発見する方もいます。
自分自身を見つめ直すことで、前向きに生きるエネルギーがわいてくるとおっしゃる方もいるんですよね。

おひとりさま終活サポートとしての視点

私が提供している「おひとりさま終活サポート」は、その名のとおり、ご家族やパートナーがいない方はもちろん、実家や親せきと距離があって実質“おひとり”で準備を進めなくてはならない方などを対象に、終活全般のサポートを行うサービスです。
その中でも、お墓に関するご相談は特に多く、以下のようなご不安を口にされる方がいらっしゃいます。

・「自分が亡くなったあと、誰がお墓を守るのか全くわからない」
・「すでに実家のお墓があるけれど、そこに入るべきかどうか迷っている」
・「そもそも仏壇とかお墓とか、そういう“しきたり”にあまりなじみがない」
・「宗教的な理由で一般的なお墓じゃなくて別の選択肢が欲しい」

こうした不安や疑問は、人によって本当にさまざまです。
薬剤師としての視点は一見、お墓や終活には関係なさそうに思われるかもしれませんが、私の場合、医療や健康管理の面から「将来的に病院へ通うときの交通手段はどうするか」「高齢になって身体が不自由になったときにはどこの施設がいいか」などの相談にも対応しています。
そうした背景情報から、お墓参りのしやすさやご本人の体力を考えた場所の選定が必要になるケースもあるので、意外と薬剤師としての知識も役立つ場面が多いのです。

終活を多角的に支える
終活アドバイザー、ファイナンシャルプランナー、薬剤師という3つの専門性を組み合わせることで、お墓選びにとどまらず、生前整理の方法や介護施設の選び方、さらには相続や保険の見直しなどまで、幅広くサポートができます。
たとえば、終活の最中に「介護費用が思っていた以上にかかりそうだ」という話が出てきた場合、ファイナンシャルプランナーの視点から今後の生活設計を一緒に考えます。
そこから逆算して「やはりお墓は永代供養墓のほうが費用的にも管理面でも安心できそうですね」とアドバイスすることもあります。

本人が「こんなはずじゃなかった」と後悔するのを避けるために、各専門分野の情報を総合的に整理した上で、お墓の形や場所を一緒に考えていく。
それが、“老後コンシェルジュ”である私の役割です。

具体的なステップ:お墓を検討する流れ

ここでは、私が普段サポートする中で実際に行っている、お墓選びの大まかな流れを例としてご紹介します。
個人差がありますので、あくまで一つの参考として捉えてください。

1. 希望のスタイルをリストアップ

はじめに「どんな形で供養されたいか」を具体的にイメージしてみます。
一般墓がいいのか、納骨堂がいいのか、樹木葬や海洋散骨に興味があるのか。最近は多様な選択肢があるので、「えっ、こんな方法もあるの?」と驚かれる方も少なくありません。
ここでは情報収集が肝になりますが、インターネットの口コミや霊園の公式サイトなどを見るだけではよく分からない部分もあるため、可能であれば実際の施設や霊園に足を運ぶことをおすすめします。

2. 予算を確認する

次に、お墓の費用について大まかに把握します。
初期費用だけでなく、管理費や維持費がどれほどかかるのかをチェックしましょう。
ファイナンシャルプランナーとして私がよく行うのは、現在の貯蓄や今後の収入見通し、そして予想される医療費や介護費用を踏まえながら、「このくらいの範囲なら無理なく支払えそう」と具体的な金額感を一緒に算出することです。
ここを曖昧にしてしまうと、後々「こんなに費用がかかるなんて聞いていなかった」という事態に陥りやすいので、しっかり確認しておきましょう。

3. 家族や信頼できる人と共有する

おひとりさまの場合、ご親戚や信頼できる友人など、“いざという時に連絡がとれる相手”に対して、ある程度の意向を伝えておくことが大切です。
もちろん、ご家族がいる方は家族全員で話し合うのが理想です。
「私はこのタイプのお墓にしようと思っているけれど、どう思う?」と率直に聞いてみると、「そんなに高いお墓じゃなくてもいいんじゃない?」とか「それならこっちの霊園のほうが交通の便がいいよ」といった新しい情報が得られることもあります。

4. 実際に申し込みや契約を行う

候補が絞れたら、管理形態や費用面の最終確認を行い、納得できたら契約に進みます。
霊園やお寺とのやり取りが心配な方は、私が代理人としてサポートすることも可能です。
契約後はお墓の使用権や永代供養の証明書など、書類の管理が必要になりますので、なくさないように保管しておきましょう。

実際のエピソード:安心に包まれる瞬間

ここでは、私が実際にサポートした方のエピソードをご紹介します。
一人ひとり、状況や感じ方は違いますが、何かしら共感できるところがあれば嬉しいです。

ケース1:遠方に暮らす娘さんへの思いやり

ある70代の女性は、娘さんが海外赴任していることもあり、「自分の死後にお墓のことで大騒ぎさせたくない」と考えていました。
そこで、まだ自分が動けるうちにと、お墓を探し始めたのです。
はじめは「お墓なんてどれを選んでも同じでしょ?」という感じでしたが、いざ見学をしてみると、管理形態やアクセス、周辺環境によって大きく費用が変わることを知り、驚かれていました。

ファイナンシャルプランナーとして費用のシミュレーションを行い、また「将来、娘さんは日本に戻ってくるのかどうか」「もし戻ってきても、頻繁にお墓参りに行ける距離なのか」といった点を一緒に考えていった結果、駅からすぐ近くの納骨堂を契約することに。
娘さんにもオンライン通話で見学の様子を共有し、「お母さんがこういう場所を選んだんだね」と納得してもらえたことで、「これで余計な心配をかけずに済む」とほっとしていらっしゃいました。

ケース2:兄弟姉妹でお墓を検討した50代男性

50代の男性で、独身の方でした。
ご両親のお墓もない状態で、「自分は将来どこに入ればいいんだろう?」と漠然と不安を持っていたそうです。
そこで兄弟姉妹と話し合い、せっかくなら兄弟みんなで入れる共同のお墓を作ろうという案が浮上したとのこと。
兄弟と言っても生活拠点や家庭環境が違いますから、意見を合わせるのはなかなか大変そうでしたが、最終的に納骨堂の一角を借りる形で落ち着きました。

面白いのは、「じゃあ一緒に入るなら、生前はみんなでお墓参りがてら、こういうところに集まろうか」なんて話が出てきたこと。
お墓を準備することがきっかけで、兄弟のきずなが深まったと笑っておられました。
こういうケースを見ると、お墓って単なる「亡くなった人のための場所」ではなく、生きている家族がつながりを確認し合うためのシンボルにもなり得るんだな、と感じます。

迷いや不安があるからこそ、“曖昧”でもいい

お墓を考えるうえで「これが正解」という答えはありません。
終活全般に言えることですが、「こうしなければならない」という絶対的なルールはないんです。
だからこそ、「今のところはこうしようと思っているけれど、状況が変わればまた考え直そう」という曖昧なスタンスでも、十分に意味があります。

実際、私のところにご相談にいらした方の中には、「まだ完全には踏み切れないから、とりあえず資料だけ見ておきたい」という方が少なくありません。
そういう方には、「まずは情報を集めて、時間をかけて検討しましょう」とお伝えしています。
どんなに情報を集めても、“気持ち”が追いつかない段階で無理に決めてしまうと、あとで後悔することもあるからです。

私としては、「あれ?やっぱり違うかも」と思ったら、いつでも再検討できる余裕を持っていただくほうが、結果として納得のいく選択につながると思っています。
人生は刻一刻と状況が変わりますから、今日のベストが明日のベストとは限りません。
あくまでも“仮決め”でも構わないので、「自分はどんな方向性がいいんだろう」と考えること自体を大切にしてみてください。

まとめ:
今できる準備が未来の「安心」と「思いやり」を生む

ここまで長々とお話ししてきましたが、お墓について事前に検討するメリットは、

1.家族に負担をかけずに想いを形にできる
2.費用面の見通しが立ちやすい
3.生きるうえでの精神的な安心と心の整理
という大きなポイントに集約されると感じています。

そして、私が「おひとりさま終活サポート」を通じて強く感じるのは、「お墓の準備をすること」がゴールではなく、それがきっかけとなって家族の絆を再確認したり、将来への漠然とした不安を解消したりすることこそが、真の意味でのメリットなんだということです。

・「ああ、これで少し安心できる」
・「家族に余計な迷惑をかけずに済む方法がわかった」
・「何となく、自分の生き方を見つめ直せた気がする」

こういう声を聞くたびに、私自身も「終活」や「生前準備」の大切さを改めて実感しています。
もちろん、お墓に対する考え方は人それぞれですし、「私はまだまだ元気だから、もう少し先でもいいや」という方がいても全然かまいません。
ですが、もし何かしらの不安や疑問を感じているのなら、一度立ち止まって向き合ってみる価値は大いにあると思います。

最後に、繰り返しになりますが、お墓について考えることは、決して“死”だけを意識する作業ではありません。
むしろ、「どう生きたいか」「どんな人生を全うしたいか」を考えることでもあるのです。
そこには、家族や友人、周りの人々に対する思いやりもあれば、自分自身の人生観をカタチにする喜びもあります。
あまり暗く考えずに、「未来の自分へのプレゼント」としてお墓の準備に取り組んでいただけたら嬉しいです。

もし具体的にどこから手をつけたらいいのか迷われる場合や、おひとりさまの事情で不安なことが多い場合には、ぜひ一度ご相談ください。
ファイナンシャルプランナー、薬剤師、そして終活アドバイザーとして、あなたの抱える悩みや迷いに寄り添いながら、最適なプランを一緒に見つけていきましょう。

ご相談やお問い合わせについて

・「お墓のことを真剣に考えてみたいんだけど、何から始めればいい?」
・「もし将来、施設に入ることになったら費用はどうなるの?」
・「自分には相続人がいないけれど、どうしたらいい?」

こういった疑問や不安がありましたら、お気軽にご連絡いただければと思います。
メールや電話でのご相談はもちろん、具体的なプラン作成や霊園・納骨堂の見学同行なども行っています。
お一人で抱え込まずに、まずは情報収集や仮決めからでもOK。少しの行動が、未来の大きな安心につながります。
何より、自分の人生を自分らしく締めくくるための第一歩として、一緒に歩んでいけたら幸いです。

以上が、「おひとりさま終活サポート」を提供する老後コンシェルジュからの、ご提案と私自身が日々感じていることのまとめとなります。
お墓の事前準備にはメリットもたくさんありますし、悩みや不安もあるかもしれませんが、それを一緒に解消しながら、穏やかな未来への道筋を作っていきましょう。

小さな気づきや些細な質問でも大歓迎です。どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。
あなたの人生が、これから先も安心と笑顔に包まれて続いていくことを、心から願っています。