こんにちは。終活アドバイザー、薬剤師、ファイナンシャルプランナーの資格を持ち、「老後コンシェルジュ」として活動している坂井と申します。
こちらの記事では、おひとりさま終活において特に大事なポイントとなる「後見人制度」について、私の体験や具体的な事例を交えながら詳しくお話ししていきます。
「もし判断能力が落ちてしまったら、誰に財産管理や生活支援を頼むのか」「家族に迷惑をかけずに、自分が望むかたちで老後を過ごしたい」――そんな漠然とした不安を抱える方は少なくありません。
特に、おひとりさまの場合は「身寄りがいない」「頼れる親戚が遠方に住んでいる」「そもそも家族と疎遠で頼みづらい」といった状況があるかもしれませんよね。
実は、私のもとにも「いつか自分が認知症になったり、大きな病気で判断力が落ちたりしたときにどうすればいいの?」というご相談をいただくことが増えています。
そのようなとき、大きな助けになるのが「後見人制度」です。
今回の記事では、終活の観点から後見人制度をなぜ早めに準備しておくと良いのか、そのメリットや具体的な流れ、体験談なども含めてじっくりお話しします。
長い記事になりますが、最後まで読んでいただければ、おひとりさまが安心して老後を迎えるヒントを見つけられるのではないかと思います。

1.おひとりさま終活と後見人制度:なぜ今考えておくべき?
おひとりさまとは、独身であったり、配偶者・子ども・近しい親戚がおらず、老後を単身で送る方々を指すことが多いです。
ただ、実際には「身近に家族がいても、実質的に頼るのが難しい」「疎遠になってしまっていて相談しづらい」というケースも含め、同様の不安を抱えている方々が増えています。
おひとりさま終活では、生前の財産管理から、介護・医療の意思決定、亡くなった後の手続きや供養方法に至るまで、あらゆる場面で「自分の代わりに動いてくれる人」が必要になる可能性があります。
しかし、頼れる人がいなければ、いざというときにスムーズな対応ができないまま混乱するケースも少なくありません。
そこで注目したいのが「後見人制度」です。
これは法律に基づき、自分の判断能力が低下したときに代わりに財産や生活を管理してくれる人をあらかじめ指定しておく仕組み。おひとりさまにとっては、老後を安心して迎えるための重要な“保険”ともいえます。
「なんとなく耳にしたことはあるけど、自分ごととしては考えてなかった」という方は、ぜひこの機会に概要を把握し、将来に向けた準備を進めてみてくださいね。
2.後見人制度の基礎:ざっくり知っておこう
確かに民法の規定などが絡むため、きちんと申請・書類作成をする際には専門家のサポートが必要になる場合もあります。
とはいえ、ざっくり理解するだけならそれほど難しくありません。
後見人:判断能力が不十分または低下した方の代わりに、財産管理や生活支援のための各種手続きを行う人 法定後見:すでに判断能力が低下している場合に、家庭裁判所が後見人を選任する制度 任意後見:まだ判断能力がしっかりしている段階で、将来に備えて自分で「この人に任せたい」という契約を結ぶ制度 特におひとりさま終活で注目されるのが「任意後見」です。
これは判断能力があるうちに、「将来もし自分で契約や財産管理を十分にできなくなったときは、こうしてほしい」という希望を盛り込んで、信頼できる人と契約を結んでおくやり方です。
たとえば、「生活費はこの口座から引き落としにしてもらう」「定期的に病院に通うときは、必要な手配をしてほしい」など、具体的なサポート内容を取り決めておくことも可能です。
より詳しい公式の情報については、法務省の公式サイトでも確認できます。
専門用語が多くて全貌を把握しきれない場合もあると思いますが、ざっくり「将来、認知症や病気で判断力が落ちたときに、自分の代わりに動いてくれる人を“法的に”決めておく仕組み」と考えればイメージはつきやすいのではないでしょうか。
3.後見人制度を事前に準備するメリット
しかし、高齢になると突然病気になったり、思わぬ怪我や介護状態に陥ったりと、予期せぬ出来事が起こることも珍しくありません。
ここでは、後見人制度をあらかじめ検討しておくことによって得られる代表的なメリットを3つご紹介します。
1.自分の意思がしっかりと反映される
たとえば、
「貯金の中から毎月どの程度まで生活費に充ててほしいのか」
「どの病院にかかり続けたいのか」
「施設に入るときはどんな方針で選んでほしいのか」
など、自分の価値観やライフスタイルを踏まえて希望を具体化できます。
判断能力が失われてからだと、思い通りのプランを実行できない可能性もあります。
早めに準備を始めることで、将来の自分にとって最善の選択肢を用意しておけるのです。
2.家族や周囲への負担を軽減する
そんなとき、後見人制度を全く準備していないと、いざご自身が認知症などで判断能力が低下した際に、親戚や友人がバタバタと手続きを調べたり動いたりしなければならなくなります。
しかし、任意後見などを事前に整備しておけば、あらかじめ「この人が私の代わりに財産管理や生活支援を担う」という体制が整っています。
結果的に、ご家族や親戚、あるいは親しいご友人が急に対応を迫られる事態を減らせるのです。
実はこれは「自分のため」だけでなく「周囲の人への思いやり」とも言えます。
3.精神的な安心感を得られる
特におひとりさまの場合は、不安を共有する相手が少なく、一層孤独感を覚えやすいもの。 しかし、後見人制度を利用すれば、「こうなったらこう動いてくれる人がいる」と、具体的な準備ができるため、漠然とした不安が軽減されます。
これは、日々を前向きに過ごすうえで大きなメリットとなるでしょう。
4.後見人制度が役立つ具体的なケース
・遠方にしか親戚がおらず、頼みづらい・連絡が難しい
・身寄りがない、頼れる家族がいない
・資産や不動産を所有しており、管理が複雑になりそう
・持病があって介護サービスや医療手続きのサポートが必須になりそう
特におひとりさまの場合、「実際には親戚がいないわけではないが、連絡をほとんど取っていないため、煩雑な手続きをお願いするのは現実的ではない」といった声をよく耳にします。
こうしたケースでも、任意後見契約で“自分がお願いしたい第三者”を指名しておけば、万全の体制を作ることが可能です。
5.後見人制度の種類と手続きの流れ
法定後見と任意後見の違い
- 法定後見
すでに判断能力が低下している人を対象に、家庭裁判所が後見人を選任する仕組み。
後見人は弁護士や司法書士などの専門家が選ばれることが多い。
- 任意後見
まだ判断能力があるうちに、自分が将来に備えて契約を結ぶ仕組み。
「誰にどのようなサポートをしてもらうか」を自分で決めて公正証書にしておく。
任意後見の手続きの流れ:4ステップ
「任意後見ってどんなメリット・デメリットがあるのか?」
「後見人に依頼する範囲はどこまで?」
といった大枠を理解しましょう。
法務省サイトや専門家の説明を聞いて、自分の状況に合った制度かどうか確認します。
2.信頼できる相談相手を見つける おひとりさま終活支援を行う私のような老後コンシェルジュ、司法書士、弁護士、行政書士など、制度に精通している人をまずは探してみましょう。
相性や人柄は意外と重要ですので、複数の専門家と話してみて「この人なら安心して任せられそう」と思える方を見つけるのがおすすめです。
3.任意後見契約を結ぶ 公証役場で公正証書を作成します。
ここでは「どんな場面でどのようなサポートをお願いするか」「費用や報酬はどうするか」などを明確にしておくことが重要です。
4.将来の変化に備えてメンテナンスを行う 人生設計や財産状況は、数年単位で変化していくことがあります。
契約内容が古くなったり、健康状態が大きく変わったりした場合は、定期的に契約内容を見直しておくと安心です。
6.体験談:実際に後見人制度がもたらす安心感
状況は少しずつ違いますが、“おひとりさま終活”という視点で共通する部分もあるかもしれません。
ケース1:親戚がいても頼みづらいAさん(70代・女性)
「もし自分が介護状態になったら、彼らを呼び寄せるのも気が引けるし、迷惑じゃないか」とずっと思っていたそうです。
そこで、私たちは任意後見契約を検討。Aさんにとっては「親戚に頼むくらいなら、専門家にお願いしたほうが気がラク」との考えもあり、「万が一判断力が落ちたときには、後見人として専門家(私やその連携先)に管理を任せる」形を作りました。
結果、Aさんは「親戚にわざわざ迷惑をかけなくてすむ」という安心感が得られ、かつその親戚の方にも「後見人制度を活用しているから、いざというときは対応してもらえる」という説明ができたことで、親戚サイドもほっとした様子だったそうです。
ケース2:まったく身寄りのないBさん(60代・男性)
そこで任意後見契約を結び、もしものときは後見人が医療サービスや介護施設の契約手続きを代行する方針を固めました。
Bさんはあまり資産が多くないとおっしゃっていましたが、小規模でも十分に必要な手配はできるとわかり、「とにかく自分のことを放っておかれずに済むんだ」という安心感を得られたようです。
どちらのケースも、「今はまだ自分でしっかり考えられるうちに準備を進められた」のが最大のポイントでした。
7.後見人制度はいつ始めるのがベスト?早め準備が吉な理由
しかし、後見人制度は元気なうちにこそ検討する価値があります。
特に「任意後見」は、自分が判断能力をしっかり持っている段階で契約を結ぶことで、細かな希望を反映できるというメリットがあります。
認知症などが進んでしまうと、そもそも任意後見契約を結ぶこと自体が難しくなり、その時点で「法定後見」しか選択肢がなくなる場合も…。
また、早いうちから後見人制度を整えておけば、将来的に健康状態や家族状況が変わっても、慌てずに修正・メンテナンスができます。
「縁起が悪い」はもったいない
「後見人制度なんて、まるで自分がもうダメになるみたいでいやだ」
と抵抗感をもつ方も、確かにいらっしゃるでしょう。
でも、実際に準備してみると、「むしろ今のうちにやっておいてよかった」という声が大半です。
なぜなら、早期に対策を立てることで、漠然とした不安や家族間のトラブルを回避できる可能性が高いからです。
8.後見人制度をサポートする「おひとりさま終活サポート」とは
私は「終活アドバイザー」「薬剤師」「ファイナンシャルプランナー」の資格を持ち、老後コンシェルジュとして、さまざまなお悩みに対応してきました。
後見人制度だけでなく、資産管理、健康管理、さらに心のケアや葬儀・お墓のことなど、幅広くご相談を受け付けています。
▼ブログでも多様な老後のお悩みを扱っています:老後のお悩み相談ブログはこちら
1.ファイナンシャルプランナーの視点で資産管理をサポート
後見人制度を利用する際に、
「具体的にどのくらいの費用を見積もっておくべき?」
「相続や税金の問題は?」
といった疑問が出てくることも珍しくありません。
ファイナンシャルプランナーとして、総合的な視点で資金計画のシミュレーションをお手伝いし、将来に向けた貯蓄・保険の見直しなども含めてアドバイスいたします。
▼資産管理や具体的な終活プランについては、項目別にまとめています: 項目別サービスの詳細はこちら
2.薬剤師としての健康管理サポート
私が薬剤師として培ってきた知識を活かし、服薬管理や健康維持のためのアドバイスを行います。
後見人制度を利用する場合も、
「医療費の支払いはどうなるのか」
「必要な介護サービスをどう選ぶのか」
といった問題が必ず出てきますが、それらを踏まえて将来を見越したサポート体制づくりをご一緒に考えます。
3.終活アドバイザーとしての心のケア・総合的な終活相談
特におひとりさまの場合は、自分の想いを気軽に相談できる相手が見つかりにくいという声もよく聞きます。
そんなときこそ、他人事とは思えないからこそ寄り添える姿勢を心がけたいと考えています。
私のサービスでは、エンディングノートの書き方や、葬儀・お墓の方法だけでなく、「老後の暮らしをどんな場所でしたいのか」「認知症になったらどんなケアを受けたいのか」など、幅広いテーマを一緒に話し合っています。
▼「終活終身サポート」サービスでは、さらに手厚いサポートを行っています: 終活終身サポートの詳細はこちら
4.具体的な相談窓口としてお気軽にご利用ください
一度話を聞くだけでも、漠然とした不安が軽くなることがあります。
ご本人に余裕があるうちに、“万が一”に備えて少しずつ準備を進めることが、おひとりさま終活の成功ポイントだと感じています。
▼ご相談は下記フォームからお気軽に: お問い合わせはこちら
9.老後を安心して迎えるために:後見人制度のまとめ
◆ 後見人制度を事前に検討するメリット
・判断能力が低下したときも、自分の意思や希望をなるべく反映できる
・家族や親戚が遠方にいたり疎遠だったりしても、周囲への負担を減らせる
・早めに準備することで精神的安心を得られ、終活に前向きになれる
◆ 早め準備の意義
・認知症が進行した後では「任意後見」が利用できなくなる可能性がある
・将来の人生設計や財産状況が変わっても、早期なら柔軟に修正ができる
・「縁起が悪い」と敬遠せず、自分の未来を守る保険として考える
◆ 老後コンシェルジュとして坂井ができること
・ファイナンシャルプランナー視点での資金シミュレーション
・薬剤師としての健康管理・服薬管理アドバイス
・終活アドバイザーとしてのエンディングノート作成支援、心のケア
私自身、多くの方々の終活をサポートしてきた中で強く感じるのは、「後見人制度はおひとりさまにとって特に大きな安心材料になる」ということです。
それは、自分自身の財産や暮らしをコントロールしやすくなるだけでなく、大切な人への思いやりにもつながります。
「身寄りがないから迷惑をかける相手もいない」という考え方もあるかもしれませんが、実際にはトラブルや困りごとが起きた際に、周囲に波及する影響はゼロではありません。
だからこそ、事前に後見人制度を整えておくことが、自分だけでなく周りへの負担を最小限にする選択だともいえるのです。
「どこから手をつけていいか分からない」という方は、まずは無料相談などで一度お話を伺えればと思います。
私が運営するサービス「おひとりさま終活サポート」は、“一緒に考え、一緒に準備し、一緒に安心を作る”ことをモットーにしています。曖昧な不安や気になる点を洗い出して、一緒に整理していきましょう。
もちろん、法務局や厚生労働省などの公的機関、法務省サイトなどの外部リンクも参考になりますし、専門の司法書士や弁護士などとも連携して最善のアプローチを見つけられます。
最後までお読みくださり、ありがとうございます。
人生100年時代と言われる中、「どんな風に生きるか」はもちろん、「どんなふうに老後を迎えるか」も、実はとても大切なテーマですよね。
後見人制度は決して“特別な人だけの制度”ではなく、誰にでも訪れるかもしれないリスクに備える手段です。
もし少しでも興味を持たれた方は、まずはお気軽にご相談ください。
お話を伺いながら、あなたに合った最適な終活・後見人制度活用プランを一緒に見つけていければ幸いです。
【参考リンク】
・おひとりさま終活に役立つブログ一覧
・終活サービスの詳細(項目別サービス)
・終活終身サポートのご案内
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