こんにちは。老後コンシェルジュの坂井です。
私は薬剤師・ファイナンシャルプランナー、そして終活アドバイザーの資格を活かして、主に「おひとりさま終活サポート」をお手伝いさせていただいています。
今日は多くの方が気になっている“相続税対策”にスポットを当てて、「なぜ早めに始めた方がいいのか?」という理由を、私自身の経験やお客様の事例をもとにお話ししたいと思います。
「早めの準備が安心」って聞くけど、本当のところどうなの?
正直、「終活」や「相続税対策」といった言葉は、人生の後半にさしかかったときに初めて意識されることが多いです。
若い頃は、老後のことなどまったくピンとこないというのが普通だと思います。
しかし、いざ定年が見えてきたり、あるいは家族や知人に不幸があったりすると、急に「自分はどうするべきなのか?」と気になり始める人が増えます。
もちろん、「いつから始めればいいの?」という質問もよく受けます。
でも私自身、何十人、何百人と終活や相続の準備を手伝わせていただいた立場から言わせていただくと、「早すぎる」ことはまずありません。
むしろ、「もっと早くやっていれば良かった…」という声のほうを圧倒的によく耳にします。
私も普段から、「なにごとも、スタートは早いに越したことはないですよ」とお伝えしているんです。

相続税対策がなぜ大切?——感情的な負担を減らすためにも
1. 相続は“お金”だけじゃない——家族の絆や気持ちが関わってくる
Aさんは、若い頃にご両親の相続を経験したそうです。
その時は急な手続きや人間関係の調整、さらに相続税の支払いなどで大変苦労されたとおっしゃっていました。
そして、ご自身のお子さんには同じ思いをさせたくないという想いから、早めに相続税対策を始めたいとご相談されたのです。
相続の話をすると、つい「お金の話でしょ?」「相続税なんてどうにかなるかも」と考えてしまいがちですが、実はもっとやっかいなのは“家族間のトラブル”です。
親御さんが遺産の分け方を明確にしていないと、兄弟姉妹それぞれの思いが交錯してしまい、ちょっとした誤解や、ほんのささいな言い回しで関係がギスギスしてしまうケースを数多く見てきました。
そんなトラブルを防ぐためにも、「どの資産をどのように承継するのか?」を家族みんなで話し合っておくことがとても大事です。
特に高額な資産や、不動産など評価が分かりやすいものがあるなら、なるべく早めに専門家を交えて検討してみてください。
2. 計画的な資産移転によるメリットは想像以上
・72歳のBさん(築40年の実家・評価額1億円、不動産以外に預貯金3億円、お子さん3人)
Bさんは、「生前贈与」と「不動産の有効活用」を組み合わせることで、大幅に相続税を圧縮できました。
ご本人とご家族で話し合って、リフォームも含めた実家のメンテナンス費用をどの段階で負担するか、また贈与は現金だけでなく、株式の形でも可能か…など、多角的に検討した結果、数千万円単位での相続税対策が可能になったのです。
さらに、お子さんやお孫さんとも改めて話し合いをする機会が増え、家族同士のコミュニケーションがよりスムーズになったという良い副産物もありました。
やはり、相続の話題は一見デリケートに思えても、家族が同じテーブルについて話し合うことで、将来の不安を共有できる大切な時間になると感じています。
具体的な対策のポイント——まずは自分の資産をしっかり把握する
1. 資産の“正確な”把握と評価が最初の一歩
私自身、最初にお客様からご相談を受けるとき、まずは徹底的にヒアリングをして、預金通帳や有価証券の資料、不動産関連の資料などをリストアップしていただくようお願いしています。
先日も、「父が加入していた生命保険のことは全く知らなかった」とおっしゃるご家族がいました。
いろいろ調べてみると、死亡保険金の受取人が亡くなったお母様のままになっていたり、保険会社も複数にわたっていたり…。
結果として、本来ならもっと早い段階で見直しておけばスムーズに進んだはずが、後になってから大慌て、というケースです。
ですから、“自分の資産が今、どんな形でどれくらいあるか”を定期的に見直すことは、本当に大切だと実感しています。
2. 不動産の有効活用は一度検討してみる価値アリ
先ほどのBさんの例ではありませんが、空き部屋や空き家になっている実家をリフォームして賃貸物件として活用することで、固定資産税の支払いを賄うだけの家賃収入を得られるようになるかもしれません。
ただ、ここには曖昧な部分もあって、「どれくらいの費用をかければどんな家賃収入が見込めるのか?」というのは実際に工事をしてみないと確定しませんし、地域の賃貸市場の需要にも左右されます。
ですから、これから不動産活用を考えるのであれば、その地域の相場をしっかりチェックし、場合によっては不動産会社とも連携して進めていくのが良いでしょう。
3. 生前贈与はコツコツやれば大きな効果が
これをコツコツと数年にわたって活用していくだけでも、最終的に相続時の課税対象額をかなり圧縮できます。
「110万円」という数字自体はさほど大きく感じないかもしれませんが、これを10年続ければ1,100万円ですし、さらに配偶者や複数のお子さんへの分散贈与などを計画的に組み合わせることで、相当な削減効果が期待できます。
また、最近は「孫への教育資金贈与」や「結婚・子育て資金贈与」などの特例制度もあります。
制度には期限や条件がある場合も多いので、税理士さんやファイナンシャルプランナーなどの専門家に相談しながら、どんな選択肢が利用できるのかチェックしてみることをおすすめします。
私もこれまで多くのお客様のケースを見てきましたが、思わぬ形でメリットが生まれることも少なくありません。
よくある心配事とその解決策
Q1: 「まだ早いんじゃない?」と感じてしまう
でも、先に述べたように「早すぎる」ことはありません。
特に「相続税対策」に限って言えば、できるだけ若いうちから意識しておくほどメリットは大きいと感じます。
私がサポートしたお客様の中でも、「もっと若い頃からこういう知識があれば、もうちょっと負担が軽くなったかもしれないのに…」と悔やまれる方は少なくありません。
「早めにやりましょう」とお伝えするたびに、いつもその理由を思い返しています。
気になったときこそ、まさに行動のタイミングだと思っていただけると良いのではないでしょうか。
Q2: 「子どもたちに話すのが気まずい…」
「相続の話をすると、なんだか自分のお金や遺産ばかり気にしているみたいで気まずい」と感じられる方は多いようです。
特に親御さん世代にとっては、お金の話を家族でオープンにすること自体、抵抗があるという方が多いんですね。
でも、最近は少しずつ風潮も変わってきています。
私が見ている限り、うまくいっているご家庭は「子どもをはじめとした家族みんなの将来を守るため」という建設的なスタンスで話し合いをしている印象です。
早い段階から話し合いを始めてみると、意外とみんなが「こういうことって、実はちゃんと考えておきたかったんだよね」と積極的に意見を出してくれたりもします。
いきなり「あなたたちにいくらあげるから」なんて切り出す必要はありません。
まずは「私が元気なうちに、今後のことを一度話し合っておきたいの。自分がどう考えてるか聞いてほしいし、みんなの意見も知りたい」といった、ソフトなアプローチがおすすめです。
「終活と相続税対策」成功のための3つのポイント
そこで、特に大切だと思う3つのポイントをご紹介します。
1.早期開始
できれば60代前半、もしくは50代くらいからでも検討するのがおすすめ。
特に贈与や不動産の見直しを計画的に行うには、時間的な余裕が欠かせません。
2.専門家との連携
税理士や司法書士など、専門家のサポートを受けながら進めるほうが、結局は近道になります。
私もお客様に必要に応じて信頼できる専門家をご紹介し、みんなでチームを組む形をとっています。
3.定期的な見直し
資産の内容だって、家族構成だって、数年単位でかなり状況が変わることもありますよね。
それに伴い、税制も変化することがあります。
ですので、たとえば年に1回くらいは、「今、私の相続税対策ってこのままで大丈夫?」と見直す機会を持つのがおすすめです。
体験談:早めに準備したからこそ得られた安心
そのうちの一つが、お客様から「やっておいて本当に良かった!」というお声をいただくときです。
たとえば、こんなエピソードがありました。
数年前から終活と相続の準備を並行して進めていた70代のご夫婦がいました。
おふたりとも比較的元気ではあったのですが、お子さんが遠方で暮らしているため、将来のことを早めに決めておきたいという理由でした。
ご主人は元銀行員、奥様は専業主婦、お子さんは30代で結婚したばかりのタイミングだったので、相続税対策と同時に「孫への教育資金贈与」も視野に入れていました。
結果的に、ご主人たちは年間110万円の生前贈与を活用しつつ、生命保険の見直しも実施。
さらに、不動産に関しては、ご夫婦がお住まいの家以外にもいくつか所有していた土地があったのですが、その一部を第三者へ売却し、現金化したうえでお子さんに贈与する計画を立てたのです。
これによって、相続税の課税対象額は相当圧縮できましたし、その現金の一部を教育資金として早めに準備しておくことも可能になりました。
後日、お孫さんが大学に進学するときに「以前から贈与してあったお金のおかげで、しっかり勉強に集中できています」とご報告いただいたんです。
私自身、まるで自分のことのように嬉しかったのを覚えています。
人生のどのステージにいても、将来を安心して見通せる状況を作るお手伝いができるのが、私のやりがいの一つだと感じています。
まとめ:相続税対策は家族みんなの未来を守るための一歩
しかし実際は、家族みんなの負担を減らし、より良い未来を築くための前向きなステップだと私は考えています。
もちろん、はじめは「どう話を切り出せばいいのかな?」とか「ややこしそう…」と思うかもしれません。
だけど、一度始めてみると意外とスムーズに進むことも多いですし、専門家の力を借りれば、複雑な税制や手続きも思っているよりずっとわかりやすく整理できるはずです。
昨日も、数年前から準備をされていたお客様にご挨拶に伺ったのですが、「私たち自身の老後もそうだけど、子どもや孫がこれから困らずに暮らしていけると思うと本当に安心だよ。坂井さんのおかげで先手を打っておいてよかったね」と優しい笑顔でお話しくださいました。
その言葉を聞いて、私も「この仕事をしていてよかった」としみじみ感じたんです。
もし今、「まだ早いかも…」「うちに限っては大丈夫そう…」と思っている方がいらしたら、ぜひ一度、ご家族や信頼できる専門家と一緒に現状の資産や状況を整理してみてください。
将来の安心は、自分から動き出すことで確保できるものです。
これから始める方へのメッセージ:小さな一歩からで大丈夫
最初のうちは、ぼんやりとした目標設定でも構いません。
たとえば、
・「自宅の名義をどう整理するかだけ考えてみよう」
・「生命保険をチェックし直してみよう」
・「毎年、余裕があれば少しずつ贈与してみよう」
といった、小さな一歩からで十分です。
そこから徐々に情報を集めたり、家族と話し合ったりする中で、自然とやるべきことが見えてきます。
私自身の経験上、急に全部決めなきゃ!と思うと、かえってストレスになって続かないものです。
「終活」に関しては、相続税対策だけでなく、葬儀やお墓のこと、介護や医療のことなど、気にし始めたらキリがないかもしれません。
でも、「できるところから始めてみる」という姿勢がとても大切で、気になった部分を少しずつ解決していけば、気づけば心がだいぶ軽くなるものです。
いつでもご相談ください
私は薬剤師としての医療知識、ファイナンシャルプランナーとしての経済・税制の知識、そして終活アドバイザーとしての経験を総合的に活用し、皆さまの人生の大切なステージをサポートさせていただきます。
「おひとりさま終活サポート」では、特に身近に相談相手が少ない方や、お一人で老後や相続の不安を抱えていらっしゃる方の力になりたいと考えています。
もちろん、ご家族やご友人との話し合いをスムーズにするためのサポートも可能です。
どんな形でも、お一人おひとりのご事情やご希望に合わせて柔軟にご提案させていただきます。
“終活”は寂しい作業ではなく、これからの時間を自分らしく生きるための土台づくりです。
そして、“相続税対策”は、大切な家族との関係をより良く保ち、お互いが安心して未来を見通すための準備でもあります。
もし少しでも興味や不安がある方は、ぜひこの機会に始めてみませんか?
一緒に進めていけば、きっと「何もやらないうちに時だけ過ぎてしまった…」ということにはなりません。
思いやりや愛情が詰まったあなたの資産と未来を守るために、私が全力でお手伝いいたします。
あなたとご家族の新しい一歩を
ここまで読んでくださったあなたは、きっと終活や相続について何かしら考え始めている方だと思います。
大げさかもしれませんが、人生にはいろいろな転機があり、「そのとき、どう動くか」がとても大切ですよね。
もし一歩を踏み出すときに迷いや不安を感じるなら、ぜひ専門家や信頼できる人に相談してみてください。
相談したからといって、絶対に具体的な対策をしなきゃいけないわけではありませんし、情報を得るだけでも大きな意味があります。
意外と、ちょっとした会話の中に“未来を変えるヒント”が隠されていることもあるものです。
それでは、あなたとご家族が笑顔でこれからの人生を歩めますように終活アドバイザーとして、ファイナンシャルプランナーとして、そして老後を見据えるコンシェルジュとして、いつでもサポートさせていただきます。
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