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おひとりさま老後に適した住まいの選び方

おひとりさま老後に適した住まいの選び方

「まだ元気だけど、この家で最後まで暮らせるかな?」――そんなつぶやきを耳にするたび、私はいつも住まい=人生の舞台装置だと痛感します。

終活というと遺言・相続のイメージが強いものの、安心して眠れる場所がなければお金も健康も活かせません。

実際、私が同行サポートした70代Aさんは、家の小さな段差が原因で転倒しかけた経験から「終活を真剣に考えるスイッチが入った」と振り返ります。

そこで本記事では、おひとりさまが後悔しない住まいを選ぶ7つの基本視点と、主要住まいタイプの徹底比較、最新トレンド、失敗しないステップ、リアルな体験談まで一気通貫で解説します。

途中、私の失敗談や制度の“グレーゾーン”にも触れるので、肩肘張らずコーヒー片手に読んでみてくださいね。

なぜ「終活 × 住まい」が大切なのか

まずは“なぜ”に立ち返りましょう。
下記3つの観点を意識すると、住まいの重要性が腑に落ちます。

・安全性:
 65歳以上の転倒事故は自宅で起こる率が約8割という統計があります。
 バリアフリーか否かは命綱。

・経済性:
 家賃・維持費・介護費を含む総保有コストで考えないと後々資金ショートの危険。

・社会性:
 単身高齢者の増加は2040年に4割に達する試算も。
 孤立を避ける仕組みは心身両面の保険です。

私はこれを「S・E・Sフレーム」と呼んでおり、住まい相談では必ずこの3視点でヒアリングします。
「まだ早い」は禁句。元気なうちこそ選択肢が広がる“終活のきほん”です。

住まい選択で押さえる7つの基本視点

1. バリアフリーと安全性

段差解消、手すり、ヒートショック防止の3点セットはリフォームの“基礎工事”。自治体補助金(上限20~30万円)を使えば自己負担を抑えられます。
私は現地調査で玄関・浴室・寝室動線を真っ先にチェックします。
夜間トイレ動線が長いと転倒リスクが跳ね上がりますから要注意。

2. 医療・介護アクセス

持ち家継続派も、新居検討派も「徒歩10分圏にクリニック+調剤薬局」が理想ライン。サ高住(サービス付き高齢者向け住宅)は安否確認と生活相談が義務サービスなので孤立しづらいのが魅力です。

3. 生涯コスト

リフォーム一括200万円 vs サ高住月額18万円――どちらが得かは余命予測×金利×インフレ率で揺れます。
ざっくりでも“年間支出”を計算して比較しましょう。
当サービスのシミュレーションでは、毎月の生活費に“想定外支出バッファ5%”を上乗せして算定します。

4. コミュニティと孤立防止

シニア向けシェアハウスやコ・ハウジングは、気ままさと仲間を両立できる新潮流。週3回の共同食事会や、住民主催の映画ナイトがある物件も。入居前に「イベントの頻度と参加強制度」を確認しないと、意外と煩わしさを感じる方もいますのでご注意。

5. ライフスタイルへの適合

「週3回は落語を聞きに行きたい」文化派と、「庭いじりで土を触っていたい」自然派では立地も間取りも真逆。譲れない軸を3つに絞り、他は“あったらいい”に落とすと選択肢がクリアになります。

6. ペット可否

犬猫と暮らしたい方はペット共生型サ高住を優先的に検索しましょう。物件数が少なく競争率高め。見学予約は「3件同日ハシゴ」が鉄板です。

7. 介護度の変化

要介護2⇢3に上がると、在宅介護で必要なサービス量も費用も跳ね上がります。出口戦略として、「要介護3以降は介護付き有料老人ホームへ住み替え」など条件付きシナリオを想定するだけで心理的な安心度が段違いです。

主要な住まいタイプを徹底比較

自宅リフォーム(持ち家派)

・メリット:住み慣れた環境/固定資産を相続対策に活用しやすい
・デメリット:大規模改修コスト/孤立リスク
・坂井のヒント:浴室暖房乾燥機で“温度段差ゼロ”にするだけでも冬場のヒートショック発生率は半減(当社調べ)。

サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)

「サービス付き高齢者向け住宅」とは、高齢者単身・夫婦世帯が居住できる賃貸等の住まいです。
平成23年の「高齢者の居住の安定確保に関する法律(高齢者住まい法)」の改正により創設された登録制度です。

有料老人ホーム(介護付き・住宅型)

1. 介護付き有料老人ホーム
介護サービス:施設内で介護保険サービスが提供される(特定施設入居者生活介護の指定を受けている)。
・主な対象者:要介護・要支援の高齢者。
・サービスの内容:
  ・24時間体制の介護
  ・食事、入浴、排せつなど日常生活のサポート
  ・医療機関連携
・特徴:入居者ごとにケアプランが作成され、手厚いサポートが受けられる。

2. 住宅型有料老人ホーム
・介護サービス:外部の介護サービス(訪問介護など)を利用する形式。
・主な対象者:自立~要支援・軽度の要介護者。
・サービスの内容:
  ・食事提供、生活支援
  ・介護が必要な場合は訪問介護やデイサービスなどを別契約で利用
・特徴:介護が必要になっても外部サービスを組み合わせて継続居住可能だが、介護体制は「介護付き」に比べると薄い。

3. 健康型有料老人ホーム
・介護サービス:介護サービスは提供されない。
・主な対象者:自立して生活できる高齢者。
・サービスの内容:
  ・食事、見守り、レクリエーションなどの生活支援中心
・特徴:将来介護が必要になった場合は、退去が必要となるケースが多い。

前払金方式は「長生きリスク」が大きい反面、要介護度が上がっても住み替え不要。月額プランは資金流出が見えやすいが、途中退去時の返還金がない場合もあるので契約チェックは必須。

グループリビング/シニアシェアハウス

●グループリビングとは
【概要】
高齢者が少人数で共同生活を送る住宅形態で、住民同士が家事や生活を協力しながら暮らします。スウェーデンなどの北欧で発展したスタイル。
【特徴】
・自立した高齢者向け(要介護度が高い場合は不向き)
・食事や掃除などを協力して行う(あるいはサポートあり)
・プライバシーのある個室+共有スペース(リビング・キッチンなど)
・見守りや安否確認はあるが、医療・介護機能は限定的
・「共同体」としての交流が重視される

●シニアシェアハウスとは
【概要】
若者向けシェアハウスの高齢者版。高齢者が共同で一軒家やマンションに住む形態。近年は「多世代型シェアハウス」も登場しています。
【特徴】
・個室+共有スペース(リビング・キッチン・風呂など)
・家賃・光熱費を分担できるため経済的
・サービスは最小限(食事・介護なしが多い)
・生活上のルールを住人で共有・調整
・入居者間のコミュニケーション重視
・一部は地域コミュニティやNPOが運営

●どんな人に向いている?
・介護は不要だが、一人暮らしは不安
・経済的に低コストで生活したい
・人と適度に関わりたい
・自由やプライバシーを保ちつつ孤独を避けたい

家賃はサ高住の7~8割。共用リビングでゆるい“疑似家族”を形成し、孤立感を減らせます。
運営者の理念が住み心地に直結するので代表者と雑談して相性を確かめましょう。

地域密着型特別養護老人ホーム(特養)

「地域密着型特別養護老人ホーム」とは、原則としてその市町村に住んでいる高齢者だけが入居できる、小規模な特別養護老人ホームです。

●基本情報
・定員
 原則 29人以下(小規模)
・対象者
 要介護3以上(原則)で、その市町村に住民票がある人
・介護サービス
 特別養護老人ホームと同様に24時間の介護体制
・利用料
 所得に応じて軽減制度あり(介護保険+自己負担)

●特徴
・地域密着型サービスの一つとして、2006年の介護保険制度改正で創設。
・大規模な特養と違い、地元の人を対象にした小規模施設。
・介護スタッフの目が届きやすく、家庭的な雰囲気でケアが行われる。
・多くはユニット型(個室+共用スペース)で、生活の自由度も高め。

●向いている人
・現住所と同じ地域で暮らし続けたい
・小規模な施設で落ち着いた環境を希望
・地元の友人・家族と関係を保ちたい

入所待機1~2年がザラ。70代のうちに申込だけ済ませておくと“いざ”に備えられます。

最新トレンド:海外コ・ハウジングと公的デジタル支援

デンマークでは高齢者同士が出資し合いコ・ハウジングを建設し、介護サービスも共同購入する仕組みが進展。日本でも国交省が2024年から「共助型住まいモデル事業」を採択し、自治体との連携が拡大中です。

また、マイナンバーカードと連動したオンライン診療や服薬指導が自宅で受けられる地域も増え、「居ながら在宅医療」が現実味を帯びています。住まい選びの際はICTインフラ整備度もチェックリストに入れておきましょう。

失敗しない住まい選び5ステップ

1.自己分析:健康状態・資産・価値観をノートに書き出し、優先順位を3段階で色分け。
2.情報収集:厚労省や自治体発行の「高齢者向け住まいガイドブック」を熟読。
3.現地見学:平日昼・夜、土日の3回訪問で〈スタッフの対応〉〈騒音〉〈夜間照明〉をチェック。
4.専門家相談:終活無料相談で契約リスク・費用を棚卸し。
5.契約前最終確認:退去時返還金・原状回復義務・保全措置を“3点セット”でチェック。

体験談:Aさん(78歳・女性)のケース

背景:築40年木造戸建てで独居。膝痛悪化と庭の草取り負担が顕在化。

プロセス:
・住環境診断で廊下と浴室の段差を計測 → 6cm&12cmの段差を確認。
・介護保険住宅改修費を活用し、手すり+段差解消で自己負担65万円。
・週1回の生活支援(買い物代行+訪問看護)併用で月額1.9万円。

結果:「リフォーム代は痛かったけど、毎日階段を気にせず動けるのは本当に生活が楽になった」と笑顔になりました。本人曰く、終活を始めたことで「未来が軽くなった分、今が楽しくなった」とのこと。

よくある質問(FAQ)

Q1:動くなら何歳頃がベスト?
  私のおすすめは60代前半。見学件数を確保でき、資金計画もリカバリーしやすい。
Q2:資金が不安。賃貸でも大丈夫?
  大丈夫。ただし家賃+介護費+医療費+雑費×余命でシミュレーション必須。無料相談で簡易試算できます。
Q3:保証人がいない…
  終活終身サポートで身元保証+死後事務までトータル対応。
Q4:リフォームと住み替え、どちらが得?
  余命10年以上で持ち家評価額3,000万円超ならリフォーム+リバースモーゲージ活用が有利になるケースも。
Q5:遠方の子どもに負担をかけたくない
  緊急連絡先代行・駆け付け・家計管理をパッケージ化した「完璧」終活終身サポートプランが人気です。

まとめ ― 住まい選びは“未来の自分”への転ばぬ先の杖

おひとりさまの住まい選びは、孤立リスクを減らし「自分らしく暮らし続ける」ための投資。終活は決して後ろ向きではなく、今日と明日をもっと楽しむための知恵です。「ちょっと話を聞いてみたいな」と感じたら、まずはお気軽に無料相談ください。