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終活で見落としがちな不動産整理 〜私が現場で見てきた家族の苦悩と希望〜

終活で見落としがちな不動産整理 〜私が現場で見てきた家族の苦悩と希望〜

こんにちは。終活ケアドクターの坂井です。今日は、終活における不動産整理について、私が実際に経験してきた様々なケースを交えながら、お話ししていきたいと思います。

突然の別れで気付かされた不動産整理の重要性

昨年、ある70代の女性から相談を受けました。
突然夫を亡くされ、住んでいる家の権利関係が全く分からない状態だったのです。
「主人に任せきりにしていたから...」という言葉が、今でも心に残っています。

不動産整理で押さえるべき3つのポイント

1. 登記簿確認の意外な重要性

「登記簿なんて、買ったときに見ただけ...」
よく聞く言葉です。でも、これが思わぬトラブルの源になることがあるんです。
私の担当したケースでは、実は亡くなったお父様の代から残っていた抵当権が原因で、相続手続きが大幅に遅れてしまったご家族もいました。
具体的な確認ポイント

・現在の所有者は誰になっているのか
・抵当権は設定されていないか
・共有名義になっていないか

2. 相続税評価額を知ることの安心感

続税...難しそうですよね。
でも、事前に評価額を把握しているのといないのでは、相続時の心の準備が全く違います。
先日お会いした50代の会社員の方は、こんなことを話してくれました。
「両親の家の評価額を事前に知れて本当に良かった。相続の準備もできたし、兄弟での話し合いもスムーズでした」

3. 空き家問題への事前対策

私が特に力を入れているのが、この空き家対策です。
なぜなら、これは将来の家族の大きな負担になり得るからです。

ある家族の選択

実例をお話ししましょう。82歳の父親が施設に入居することになった家族。実家をどうするか悩んでいました。子供たちは遠方に住んでいて...。結果的に、事前に賃貸活用を検討し、地域の不動産会社と連携して素敵な形で活用できることになりました。

不動産整理がもたらす3つのメリット

1.家族の心理的負担の軽減

・相続時の混乱を防ぐ
・家族間の話し合いのきっかけに
・将来への不安解消

2.経済的なメリット

・相続税の事前シミュレーション可能
・賃貸活用による収入確保の検討
・維持費の最適化

3.社会への貢献

・空き家問題の解決
・地域の活性化
・次世代への円滑な資産継承

終活ケアドクターとしての私の想い

薬剤師として働いていた頃、多くの終末期の患者さんと関わってきました。
その経験から、人生の最期に向けた準備の大切さを痛感し、この道を選びました。

特に不動産は、単なる「物件」ではありません。
そこには家族の思い出が詰まっています。
だからこそ、丁寧な整理と準備が必要なんです。

今すぐできる第一歩

1.自宅の登記簿を取り寄せてみる
2.家族で不動産の将来について話し合う
3.専門家に相談する(必要に応じて)

まとめ:不動産整理は「想いの整理」

不動産の整理は、決して難しいものではありません。むしろ、家族との対話のきっかけとして最適かもしれません。
ある息子さんからこんな言葉をいただきました。
「親の家の整理をきっかけに、久しぶりに家族でゆっくり話ができました。これも終活のおかげですね」
この言葉に、私の仕事の意味を感じています。

最後に...
不動産の整理は、決して重たい話ではありません。
むしろ、家族への愛情表現の一つだと私は考えています。
あなたとご家族の「これから」のために、私たちができることを、一緒に考えていけたらと思います。